国土交通省の発注者支援業を行う会社は大きく3分類!特徴・雰囲気とは?
以前の記事で、「国土交通省の発注者支援業務を行う会社は、主に3パターンに分かれる」とお話しました。
3パターンをおさらいすると、次の通りです。
- 旧弘済会・協会系
- 設計会社系
- 協力会社系
これらの組織はそれぞれ成り立ちが異なることもあり、社内の雰囲気なども大きく違います。
そこで今回は、各企業がどんな特徴やイメージを持っているのかお話します。
「国土交通省の発注者支援業務をしたいけど、どの会社を目指せばいいのかわからない!」という方はぜひご覧ください。
1. 旧弘済会・協会系の特徴
弘済会・建設協会とは、かつて国土交通省のOBが主となって全国各地で運営していた社団法人です。
当時は国土交通省で役職に就いていた人達が退職後、弘済会・建設協会に転職してくるのが一般的な流れで、そのせいもあって弘済会は”天下り団体”とも呼ばれていました。
このような経緯を持つ旧弘済会・協会系の会社は、一般的な企業よりもヒエラルキー・階級がはっきりしているイメージです。
役所OBの人達が上位職を占めている割合が高いことが、その要因でしょう。
また、かつては公益法人だったこともあり、コンプライアンスや福利厚生を重視しています。
たとえば民間企業で取り沙汰されがちな36協定やサービス残業、有給問題などについても非常に意識が高い傾向にあります。
したがって、保守的・安定的で公務員的なイメージが強いという言い方もできるでしょう。
実際に旧弘済会・協会系の会社に勤めている人は、安定性を求めて志望した人が多いようです。
ただ、お役所のような雰囲気があるということは、裏を返せば柔軟性に欠けるところがあると見ていいでしょう。
建設弘済会は昭和30~40年頃、建設事業の円滑な推進に資し、国土開発の発展に寄与することを目的として全国各地で設立された社団法人です。
あらゆる発注者支援業務を始め、防災活動支援や環境活動・地域づくり活動支援などを行っていました。
弘済会・協会は次のように、各エリアごとに設けられていました。
- 関東…関東建設弘済会
- 東北…東北建設協会
- 北陸…北陸建設弘済会
たとえば関東の仕事であれば、関東建設弘済会が受注するという風に、各エリアの発注者支援業務を弘済会・建設協会が独占していたのです。
しかし、各地方整備局における公共事業費の拡大や業務量の増大を踏まえ、平成18年頃から一定の業務をアウトソーシングする取り組みがスタート。
総合評価落札方式の実施や市場化テストの実施により民間受注が促進されると、各建設弘済会への発注額は年々減少し、結果的に建設弘済会は発注者支援業務からの完全撤退を余儀なくされました。
2. 設計会社系の特徴
設計会社とは、道路・橋等の設計を本業として行う建設コンサルタントのことです。
十数年前、発注者支援業務が旧弘済会・協会の独占状態を経て一般入札を開放した際、新規参入してきた会社です。
設計会社は本業が設計であるため、どうしても発注者支援業務が二次的な位置づけになってしまう点が最大の特徴でしょう。
ただ発注者支援業務の職員としては、現場において技術的な点でわからないことがあった場合、本社の社員にレクチャーしてもらえるというメリットがあります。
設計を行っている人に直接、図面の設計意図や背景など聞けるということは予想以上に大きな利点です。
これが設計会社以外の会社から来ている発注者支援業務は、他のメンバーに尋ねたり、自力で調べたりしなくてはなりません。
また、設計を本業とする会社に在籍する以上、発注者支援業務から設計士というキャリアチェンジの道も拓きやすいでしょう。
ただ設計会社は高学歴の人が多く、大卒・院卒は普通で、土木学科の出身者ばかりという傾向にあります。
建設会社での現場監督を経て発注者支援業務の業界に入ってきた人などは、少し違和感を覚えるかもしれません。
発注者支援業務に直接影響を及ぼすことではないのですが、一般的に設計会社=インテリ系のイメージがあることは留めておいて良いでしょう。
3. 協力会社系の特徴
協力会社とは、かつては弘済会・建設協会の下請けだった会社です。
当時下請けだった協力会社が元請けになったという経緯があるため、発注者支援業務を行う会社はほぼ、この協力会社系に当てはまります。
そんな協力会社の幹部クラスは、若い頃に国土交通省で発注者支援業務を行っていた、いわゆる叩き上げの人が多いです。
役職なしの状態から管理技術員になり、本社配属になり、役員や社長になるというパターンですね。
一方で、発注者支援業務と共に仕事をしていた当時の国土交通省の職員も、年数と共にポジションが上がっていきます。
つまり発注者支援業務側からすれば、自分も偉くなっているし、共に働いていた人も国土交通省で偉くなっている。
そんなところで、協力会社は役所との一体感が非常に強いとされています。
このイメージを掴む上で、1つ特徴的なエピソードを紹介しましょう。
とある協力会社の社員が、国土交通省内で人間関係のトラブルを起こしました。
その際、協力会社はどう対処したかと言うと、なんと自社の社員よりも役所側の肩を持つような解決策を支持したのです。
つまり、協力会社の幹部陣は若い頃から役所と付き合ってきたために、役所の内情を非常によく理解しており、それが故に自社の社員の至らなさが目に付いてしまうということなのですね。
通常、トラブルというものは是々非々で解決を図るものですが、協力会社はむしろ役所側の立場に立ったということです。
それは、自身も役所内で働いたことがあり、さらにかつての仲間が現在のお客様になっているという経緯がそうさせるのでしょう。
まとめ
今回は、発注者支援業務を行う会社を3パターンに分け、その特徴や雰囲気を説明しました。
ポイントは次の通りです。
- 旧弘済会・協会系…コンプライアンスや福利厚生を重視する。安定的・保守的で公務員に近いイメージ。
- 設計会社系…本業が設計のため、発注者支援業務は二次的な位置づけ。技術面に強く、設計士へのキャリアチェンジも叶う。
- 協力会社系…内情をよく理解しているが故に、役所との一体感が非常に強い。
しかしながら、このような特徴を持つからといって、どの会社が良い・悪いということは決してありません。
今後、発注者支援業務の会社に就職を希望している方の会社選びのヒントになれば幸いです。
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