施工管理技士の資格制度改定!2級土木技士補で何ができるようになる?

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発注者支援業務に最も身近な資格として、土木施工管理技士があります。

そもそも施工管理技士とは、建設業における特定業種の技術を認定した国家資格で、次の7つの分野に分かれています。

  1. 土木
  2. 建築
  3. 電気
  4. 電気通信
  5. 造園
  6. 建設機械

この施工管理技士の資格制度が変更されることになり、発注者支援業務への影響がさまざまに噂されています。

今回は、特に大きなポイントとなる”技士補”の制度変更を重点的に押さえながら、今後起こるであろう変化を解説します!

施工管理技士制度変更の概要

こちらは国土交通省が発表している施工管理技士の制度変更に関する資料です。

上が1級で、下が2級。

左側が現状(現行)で、右側が変更後(見直し)の内容となります。

現状、施工管理技士は1級と2級に分かれており、それぞれに第一次検定と第二次検定があります。

次の通り、いずれの検定を合格したかにより、”技士”または”技士補”の称号が与えられます。

  • 1級の第二次検定…1級技士
  • 1級の第一次検定…1級技士補
  • 2級の第二次検定…2級技士
  • 2級の第一次検定…2級技士補

なお、1級を受験する際は実務経験が必要となり、学歴や指定学科によって必要な経験年数は異なります。

2級も以前は同様の制度でしたが、現在2級技士補に関しては、17歳以上なら誰でも受験可能となりました。

2級技士補の合格率は約70%のため、受験・合格共にかなりハードルが低めなことがわかります。

それでは、今後どのように変更されるのかを等級別に見ていきましょう。

1級施工管理技士の変更内容

まず1級技士補に関しては、19歳以上であれば誰でも受験可能となります。

次に、1級技士に関しては、実務経験が必要な点は変わりません。

しかし必要な経験年数が、一律”一級技師補として一定規模以上の工事の実務経験3年”に変更されます。

つまり1級技士補に合格し、3年の実務経験を積めば、1級技士を受験できるということですね。

2級施工管理技士の変更内容

2級の変更点は、第二次検定(技士補)の受験に必要な実務経験についてです。

こちらは一律、”2級技士補としての実務経験3年”に変更されました。

1級と同様、技士補を取得すれば、実務経験3年で2級技師の受験が可能になります。

変更点まとめ

変更点を見ると、1級・2級ともに、受験資格に必要な経験年数が短縮化され、受験へののハードルが低くなっています。

これは、今まで散々「学歴や指定学科による受験資格の区別をなくそう」と叫ばれていたことが、実現化された形となります。

なお、これらはまだ決定事項ではなく、厳密な変更時期も決まっていません。

しかし国土交通省がオフィシャルで発表している資料のため、おそらくこの通りの流れになっていくでしょう。

施工管理技士の資格制度変更に関しては『施工管理チャンネル』でも詳しくお話していますので、興味のある方はご覧ください。

資格制度変更が発注者支援業務に与える影響とは

施工管理技士の資格制度が変更になると、発注者支援業務にはどんな影響があるのでしょうか?

結論から言うと、2級技士補でも就業可能な業務が今後出てくると予想されます。

では現状、資格取得者がどのような区分で発注者支援業務に就業しているのかを見てみましょう。

技士

技士は1級・2級ともに、発注者支援業務で就業可能な業務内容が明確に提示されています。

よって、技士は等級に応じた発注者支援業務に就業するのみです。

技士補

1級技士補は、国土交通省やNEXCOの発注者支援業務において「この仕事は就業可」という区分が掲げられています。

一方、2級技師補に関しては現状、就業可能な発注者支援業務はありません。

ここが資格制度変更にかかる最大のポイントです。

なぜなら今後は、2級技士補でも就業可能な発注者支援業務が出てくると予想されるからです。

その理由の1つとして、施行管理技士が国家資格であることがあげられます。

“国家資格を取得しても、何も就ける仕事がない”というのは本来ありえないからです。

2級技士補は受験者数の増加や、それに伴う建設業への就労者数増加を狙いとしたある種”呼び水”のような資格と言われていますが、やはり国家資格である以上、基本的な機能は尊重されるべきでしょう。

ただし、”2級技士補が発注者支援業務に就業可能となる”という説は公式発表ではなく、あくまで予想の範疇ですので、その点のみご了承ください。

今後の流れをさらに予想すると

そもそも2級技士補は、1級技士補を前提として作られたという説があります。

よって、1級・2級ともに受験資格が整ってから、両級の役割について検討されていくのではないかと考えられます。

つまり、1級技士補の受験資格を19歳、2級技士補の受験資格を17歳に決定し、”未経験でも受験可能”という制度を作り上げてから、双方の就業可能業務について取り決めが行われていくのではないかということです。

2級技士補の就業可能な業務について

2級技士補は、資格制度が変更されれば、17歳以上、実務経験なしで受験できる合格率70%の資格となります。

つまり、“誰でも取れる資格”と言っても過言ではありません。

そんな2級技士補に、どのような発注者支援業務があてがわれるのかは皆さんも気になるところではないかと思います。

しかしながら施工管理技士は、国土交通省管轄の資格であるため、発注者支援業務で就業可能範囲を取り決めていくのはそこまで困難ではないはずです。

たとえば、道路などの許認可業務は可能性が高いと考えられます。

許認可業務は、原則1名の1級技士を必要とするのですが、条件が満たされていれば無資格で携われる枠があるからです。

3人で行う許認可業務があったとすると、次のようなメンバーで構成が可能となっています。

  • 2級技士:2名
  • 無資格者:1名

2級技士補に仕事をあてがうなら、このパターンを活用した次のようなメンバー構成も今後予想されるでしょう。

  • 2級技士:1名
  • 2級技士補:2名

ポイントから見た2級技士補の活用パターン

そもそも、なぜこのようなことが可能になるかといえば、発注者支援業務はポイント制のような形を用いて、業務メンバーを構成しているからです。

例えば2級技士を1ポイント、無資格者を0ポイントとすると、先の許認可業務メンバーの例は次のようになります。

  • 2級技士:2名…2ポイント(1ポイント×2)
  • 無資格者:1名…0ポイント

合計:2ポイント

1人当たり:0.66ポイント

つまり、1人当たり0.66ポイントあれば、同様の業務は遂行可能という考え方ができます。

同じパターンで、2級の技士補を0.5ポイントとして組み入れると、次のようなメンバー構成が可能となります。

  • 2級技士:1名…1ポイント
  • 2級技士補:2名…1ポイント(0.5ポイント×2)

合計:2ポイント

1人当たり:0.66ポイント

メンバーは変わっても、1人当たりのポイント数は変わりません。

よって、このような形で2級技士補を活用していく可能性は十分考えられます。

また人手を確保する上でも、技士補より、取得に実務経験を要する2級技士を押さえる方が困難なのは明白です。

国土交通省としては、1つの業務に2名の技士を就かせるよりも、技士補を組み入れることで、技士を分散させたい思惑があるでしょう。

このように人手不足解消の1つの手立てとしても、技士補の就業については前向きに検討されていくかと思います。

まとめ

今回は施工管理技士の資格制度変更にともない、変更内容の概要や、争点となる2級技士補の就業について解説しました。

ポイントは次の通りです。

  • 1級技士補は19歳以上なら誰でも受験可能になる
  • 1級・2級技士は受験に必要な経験年数が3年になる
  • 制度変更が実現されれば、全体的に受験へのハードルが下がる
  • 2級技士補は、発注者支援業務の一部業務に就業できる可能性が高い

今回の資格制度変更の背景には、建設業界の人手不足を解消したいという思惑があることがわかりました。

従来、発注者支援業務に就くには実務経験が必須となっていましたが、2級技士補が就業可能となれば、未経験者にも門戸が広く開かれることになるでしょう。

次の記事では、資格制度変更によって1級技士補にどんな影響があるのかを解説します。

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この記事の内容は以下の動画で解説しています。

理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。

この記事の続きは以下の記事になります。

【資格改正】経験ナシの1級土木技士補で何の仕事ができる?経験の有無での違い

2022.10.26

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