発注者支援業務の1日の流れは?残業や休日は取れる?仕事内容を具体的に解説!
この記事は以下の記事の続きです。
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「発注者支援業務の1日の流れは?」
「残業時間や休日はどの程度?」
発注者支援業務に就くと、どのような生活が待っているのでしょうか。
本記事では、発注者支援業務を17年間務めてきた佐藤さん(仮名)に、お話を伺いました。
1. 発注者支援業務の1日の流れ
発注者支援業務の1日の流れを紹介します。
国土交通省の始業は8時半で、10〜15分前に着くようにしています。
まず朝は、発注者支援業務を2人体制で行っているため、2人での簡単な打ち合わせをします。
その後は、各技術員の裁量に任されています。
基本的には請負でやるイメージのため、いちいち指示を仰いでいると指示系統がおかしくなってしまうからです。
その後、現場へは、大体昼には1度顔を出すようにはしていますが、立会の頻度によりけりです。
午前に現場を出たら、午後は書類業務を行うというように、なるべく午前か午後にデスクワークを振り分けるようにしています。
今の世の中ですと、長時間の残業はできません。
そのこともあり、就業時間は大体19時前を目指しています。
一方で、役所の人は、部署によってまちまちですが、河川工事の場合、出水期があるため工事ができる期間が限られているので、年間だと偏りが出てきます。
忙しくない時は定時上がりができます。
雪が溶ける時期や梅雨を含む集中豪雨、台風の多い時期が出水期です。
高速や新しい道路を作る場合は、現道を管理するような型にはまった仕事はできません。
また、電線共同溝などの地下埋没工事が多くあるので、夜の立ち会いもあります。
労働基準法に則って業務を行う必要があるため、「次の日の立会をどうしようか?」という話は出ますね。
都心からおおむね40~60kmの位置を環状に結んでいる全長約300キロメートルの高規格幹線道路のことです。
正式には首都圏中央連絡自動車道といいます。
東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道等の放射状に延びる高速道路や都心郊外の主要都市を繋ぎ、東京湾アクアライン、東京外かく環状道路などと一体となって首都圏の広域的な幹線道路網を形成しています。
電線の設置及び管理を行うためのスペースを道路管理者が道路の地下に設ける施設のことです。
これにより、地上で安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上、災害の帽子、情報通信ネットワークの信頼性向上などのメリットがあります。
残業は19時までにセーブしていますし、土日祝日はきちんと休めています。
昔は夜なべ仕事が多かったので、昔とは全然違います。
現場から帰ってくると机に大量の書類が溜まっていることがよくありました。
2. 発注者支援業務と民間の違い
民間と発注者支援業務の仕事を比べて、1番違うのは、お金の管理です。
言い方は悪いですが、発注者支援業務は予算のことを何にも考えなくて良いと言えば良いので。
一方で、民間の場合は実行予算を組んで「物ができればいい」というわけにはいかず、予算組の中で、利益を出さなければなりません。
発注者支援業務は、「悪いものは悪い」と言うことが必要で、お金がかかるかどうかという話ではありません。
配筋が良くない場合は「やり直しなさい」と言う必要がありますし、そこでお金がどうこうという考えは入ってきません。
発注者支援業務をやる大きな理由の1つがその点にあります。今は落札額がそこそこ高いから良いですが、現場をやっていた時、落札率が低く、低い金額で工事を取ってきたのに利益を出さないといけないとなると胃が痛くなりました。
配筋の配置は、「配筋図」というものに示します。
鉄筋コンクリートの各部材ごとに配筋の方法は異なります。
書類も、支援業務側はチェックする方のため、0から作ることがありません。
民間にいるときは1から立案をして、官に確認・承認を受けてから現場に周知徹底をさせるのが監督の仕事ですが、支援業務の場合は書類をもらって、言い方は悪いですが捌く形になります。
官の方に受け渡して、協議が整うか、整わないかのマネジメントをしなければなりません。
等間隔に木杭を打ち、水平もしくは斜の板を取り付けて設置するのが一般的です。
どちらに対しても中立でないとこの業務は成り立たないためです。
イメージ的には「役所側に立つのでは?」と思われるかもしれませんが、それはハラスメントになります。
あくまでもルールブックにある共通仕様書などに則ってこの行為が正しいか、正しくないか判断はできますが、それを指示・命令をすることは支援業務側ではできません。
指示・命令はあくまで官の仕事で、官と業者の間に立って官の意向を伝えるのが支援業務側の仕事です。
そこでどちらかに偏った目で見ると、どちらともうまくいかなくなると言うのが1番のデメリットです。
昔は役所側の言うことは聞くものだと言うような流れがありましたが、昔とは全然違います。
お役人様という感覚は全くありません。
工事を請け負う業者が昔だったら言わなかったことも権利の主張として言ってくることもあります。
3. 重点監督対象工事の場合
現在は、低入札で入ってくる業者はほとんどいません。
低入札になると、重点工事になります。
そうすると、今まで確認が1回でよかったところを最低2回になります。
要は、倍になるというイメージです。
昔は、必ず何件かはありました。
低入札は書類が多くなるし、作業も多くなるので、言葉は悪いですが「めんどくさいなあ」と思うことはありました。
現在はそのような低入札はほとんどありません。
4. 施工パッケージによる変化
施工パッケージによる変化に関しては、積算の体系がカッチリと変わっただけの話なので、現場の協議に関して施工パッケージが必ず適用されるわけではありません。
全部拾って、どこをまとめるかだけの話ですので、最終的に数量を拾うということに変わりはありません。
入れ込めるパッケージがあるのか、それが無ければ特別調査をかけるのか、それだけの違いです。
同じ工事を行う場合でも、材料費や労働費は施工方法や場所、原材料費によって変わります。
積算の簡素化や、透明性の向上を目的にした新しい積算方式です。
5. 概略発注が増えた訳
工事発注時の契約対象工種の一部分を「対象工種を除く直接工事費」に対する率で費用を1式計上し工事価格の算出を行うことです。
率計上の金額は、直接工事費の総額が万円止めとなるよう、算出した率以内の金額を計上します。
当初契約時の入札、手続きの簡素化を目指すことを目的としています。
昔と比べて、設計変更も多くなりました。
昔は官が認めないというのが結構ありましたが、今は認めざるを得ないという状況です。
なぜなら、概略発注のような形でカッチリとした発注を取れない場合が多いからです。
そうなると、やりながら修正をしていかなければなりませんので当然変更になります。
しかし、事業費が膨らむことが官側としては1番嫌な話なので、増額変更はやはり渋ります。
概略発注は災害時などに発生するものでしたが、今では手続きを簡素化するために増えています。
今は発注形態そのものの手続きが複雑になっているので、昔のように簡単な図面や数量があるだけでは発注ができず、しっかり条件を明示しなければなりません。
「◯◯の場合には◯◯ということがある、だから協議をしなさい」という風になっているので、これら全てを発注段階で精査するのが1番良いのですが、そうすると発注で終わってしまいます。
数量拾いは最終的に精査します。
業者側からあがってきて、チェックは支援業務の人がやります。
CADを参照して面積を出している場合はCADをチェックしなければなりません。
工事費用は、その工事を構成する工種(工事の種類)ごとに「数量」×「単価」=「金額」を計算し、その合計で算出されます。
工事費用を算出する作業のことを積算と言いますが、積算でメインとなるのが設計図面などから「数量」を求める「数量拾い」と呼ばれる作業です。
CADが普及するまでは、設計や製図は紙に手書きで行われていましたが、CADを使えば非常に効率的に終わります。
手書きでは線の太さなどで誤差が生じてしまうことがありますが、CADではそのようなミスも防げます。
また、修正箇所のみをピンポイントで消すことができたり、データ化されているので離れた人にもすぐに共有できたりするのがメリットです。
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