工事監督業務の積算上の勤務日数・単価は?国土交通省での委託金額の積算方法【中編】

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この記事は以下の記事の続きです。

前の記事を読んでいない方は、こちらの記事もご覧ください。

国土交通省の工事監督支援業務での委託金額の積算方法を徹底解説【前編】

2024.04.14

発注者支援業務は、一定の金額で国土交通省などから建設コンサルタントが受注します。

前の記事では、国土交通省の発注者支援業務のうち工事監督支援業務の委託金額の積算方法について解説しました。

今回は中編として、委託金額でも大きな要素の工事監督支援業務の直接人件費の積算方法について解説します。

  • 【前編】工事監督支援業務の委託金額の積算方法
  • 【中編】直接人件費の積算方法
  • 【後編】国土交通省の工事監督業務の残業費の積算方法

発注者支援業務で働くなら必ず知っておくべき内容ですので、ぜひご覧ください。

人件費は工事監督支援業務の予算の中で大きく占める費用

国土交通省の工事監督支援業務の委託金額は、「工事監督支援業務積算基準(国土交通省)」にて積算方法が決まっています。

直接人件費は、国土交通省の工事監督支援業務の予算構成でも金額が大きく、積算する際に重要な要素です。

直接人件費とは、受注した建設コンサルの現場で働く管理技術者や担当技術者に発生する人件費です。

これらの人件費を予算に入れて建設コンサルタントは入札をします。

管理技術者の人件費

管理技術者の人件費は、打ち合せと工事監督支援業務(業務計画・工事管理・工事監督支援)で積算します。

(1)管理技術者の人件費①:打合せ

国土交通省の場合、管理技術者は月に2回ほど訪問し常駐しないために打ち合わせに係る費用が発生します。

1か月あたりの打ち合わせに係る費用の計算方法は、技士(A)という管理技術者の単価に対して1.2を掛け合わせて計算します。

技士(A)の単価は「設計業務委託等技術者単価(国土交通省) 」で決められており、設計業務の技術者単価は55,200円です。

打合せの1か月あたり費用

「工事期間(月)」 × 55,200円(単価) × 1.2 = 「工事期間(月)」 × 66,240円/月

※技師(A)とは、一般的な定型業務に精通するとともに高度な定型業務を複数担当する。また,上司の指導のもとに非定型的な業務を担当する。

(2)管理技術者の人件費②:工事監督支援業務

工事監督支援業務には、業務計画・工事管理・工事監督支援の3種類の業務があります。

#1:業務計画

発注者支援業務では業務計画書を1業務あたり作成する必要があります。

1業務あたりの業務計画に係る費用の計算方法は、技士(A)の単価に対して1.4を掛け合わせて計算します。

業務計画の費用

「業務数」 × 55,200円(単価) × 1.4 = 「業務数」 × 77,280円

#2:工事管理

発注者支援業務では工事書類・関係書類の確認する必要があります。

1工事あたりの工事管理に係る費用の計算方法は、技士(A)の単価に対して0.4を掛け合わせて計算します。

工事管理の費用

「工事数」 × 55,200円(単価) × 0.4 = 「工事数」 × 22,080円

#3:工事監督支援

管理技術者は担当技術者に対して指揮命令をする「指揮・監督業務」が発生します。

1か月あたりの指揮・監督業務に係る費用の計算方法は、技士(A)の単価に対して1.1を掛け合わせて計算します。

しかし、担当技術者が少ないほど業務量は少ないため、想定される担当技術者が2人以下の場合は、技士(A)という単価に対して0.5を掛け合わせて計算します。

業務計画の費用

「工事期間(月)」 × 55,200円(単価) × 1.1 = 「工事期間(月)」 × 60,720円

想定される担当技術者が2人以下の場合

「工事期間(月)」 × 55,200円(単価) × 0.5 = 「工事期間(月)」 × 27,600円

担当技術者の人件費

担当技術者の1か月あたり係る費用の計算方法は、単位が人日ではなく「式」となっています。

そのため、単純に技士(C)の単価に対して1.0を掛け合わせるのではなく、担当技術者(式/月)を以下のように計算します。

担当技術者の費用

「工事期間(月)」 × 35,600 円(単価) × 「必要人数」 × 19.5(人/日・月)  + 超過業務標準相当額

技士(C)の単価は「設計業務委託等技術者単価(国土交通省) 」にて設計業務の技術者単価は35,600 円と決められています。

また、「19.5人/日・月」は、年間365日のうち年間休日数を引いて12か月で割ったときの1月あたりの平均出勤日数です。

これらは定時での金額となっており、その金額に残業代も加味した金額を加算することで計算されます。

残業時間の詳しい計算方針については、次の記事で解説しています。

工事監督業務の積算上の残業単価はいくら?国土交通省での委託金額の積算方法【後編】

2024.04.27

まとめ

今回は中編として、委託金額でも大きな要素の工事監督支援業務の直接人件費の積算方法について詳しく解説しました。

国土交通省の発注者支援業務のうち工事監督支援業務の委託金額において、人件費の積算は非常に重要です。

発注者支援業務に従事する人は必ず押さえておきましょう。

この記事の続きとして以下の記事で、「超過業務標準相当額」の積算方法について解説します。

工事監督業務の積算上の残業単価はいくら?国土交通省での委託金額の積算方法【後編】

2024.04.27

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理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。

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