国土交通省の施工体制調査業務は何を調べる?施工体制台帳から見る仕事の中身

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タイトル:施工体制調査業務って何?

発注者支援業務には、国土交通省の工事に関わる仕事がいくつもあります。
そのひとつが、施工体制調査業務です。

しかし、「施工体制」と聞いても、何を調べる仕事なのか想像しにくいかもしれません。
施工体制調査業務では、現場や書類のどこを確認するのでしょうか?

そこで本記事では、次の3つを解説します。

  • 施工体制調査業務とは何か
  • 施工体制調査業務の前提となる施工体制台帳
  • 施工体制台帳を作る目的

施工体制調査業務は、工事の出来栄えではなく、元請けが下請けまで含めたチームを正しく組んでいるかを確かめる仕事です。
発注者支援業務への転職を考えている人や、工事監督支援業務との違いを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

施工体制調査業務とは?

「施工体制調査業務」とは?

施工体制調査業務とは、国土交通省が発注した工事で、受注した業者の施工体制を調べる仕事です。
施工体制とは、元請けの下に1次・2次の下請けが入る、工事を進めるチームの組み方を指します。

発注者支援業務のスタッフは、役所側の立場でこの体制が正しく組まれているかを確認します。
ただし、仕事の中身を理解するには、先に「施工体制台帳」を知っておく必要があるのです。

施工体制調査業務の前提「施工体制台帳」を解説

「施工体制台帳」を解説

では施工体制台帳とは、どのような工事で作られ、何が書かれた書類なのでしょうか?

施工体制台帳を作る工事

建設業法では、次の場合に施工体制台帳の作成を義務づけています。
発注者から直接工事を請け負った特定建設業者(元請け)が、下請けに出す金額の合計が一定額以上になる場合です。
ポイントは、発注者から受けた金額ではなく、元請けが下請けに出す金額の合計で判断する点です。

金額は変更になっている!

動画では「4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)」と説明しました。
しかしこの金額は2025年2月1日に引き上げられ、現在は5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)です。

一方で、公共工事では金額が関係ありません。
下請けに出す場合は、施工体制台帳を作るのが基本のルールです。
税金で行う工事だからこそ、体制をはっきりさせる必要があるのでしょう。

民間工事(建設業法) 公共工事
作成が必要な工事 下請けに出す金額の合計が5,000万円以上
(建築一式工事は8,000万円以上)
下請けに出す場合は金額にかかわらず作成
作る人 元請け 元請け(発注者の役所に提出)

参考:建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します|国土交通省

施工体系図と台帳に書く内容

施工体制台帳には、施工体系図が含まれます。
施工体系図とは、元請けがどこで、1次・2次・3次の下請けにどの会社が入っているかをフロー図で示したものです。
下請けが1次で終わる工事なら1次まで、2次で終わるなら2次までを書きます。

例えば、次のような施工体制だった場合を考えてみましょう。

施工体制の例

施工体系図は下図のように書かれます。
これは元請けや下請けの関係が一目でわかる資料です。

施工体系図

そして施工体制台帳は、下図のようになります。
施工体系図は全体でしたが、施工体制台帳は個別の資料になるイメージです。

施工体制台帳

元請けと各下請けについて、次の情報を記載します。

  • 建設業の許可
  • 工事件名
  • 社会保険の加入状況
  • 現場代理人や監理技術者・主任技術者などの技術者情報
  • 下請けが担当する工事の内容

中でも大事なのが、各下請けが具体的に何の工事をするのかという請負内容です。
この書類を、1次・2次・3次すべての下請けについて作ります。

施工体制台帳の目的とは?施工体制調査業務が見る「ワンチーム」

施工体制台帳の目的とは?

元請けが施工体制台帳を作るのは、直接契約していない会社まで含めた全体像を把握するためです。

例えば、国土交通省からA建設が工事を受け、鉄筋工事を1次下請けのB建設に出したとします。
さらにB建設が、2次下請けとしてC建設に仕事を頼んだ場合、A建設とC建設の間には契約がありません。
それでも、C建設はA建設が受けた工事の一部を担っています。

つまり、契約の有無にかかわらず、同じ工事に関わる会社はワンチームです。
野球やサッカーと同じように、元請けはチーム全員を把握しておく必要があります。
B建設に任せたものの、その先にどの会社が入っているか分からなければ、現場で「この人は誰?」という状態になりかねません。

また、仮に1次と2次の間で金銭トラブルが起きれば、契約外の話でも工事全体に影響します。
そのため、5次・6次の下請けがいる場合も、すべて台帳にまとめて把握するよう求められているのです。

まとめ:施工体制調査業務は、工事の出来栄えではなく体制を確かめる仕事

まとめ

施工体制調査業務は、元請けが施工体制台帳のとおりにチームを組み、工事を進めているかを確認する仕事です。
元請けはチームのキャプテンとして、次のような状態を防ぐ必要があります。

  • 施工体系図に載っていない人が現場に入る
  • 建設業の許可がない会社が入る
  • 社会保険に入っていない会社が入る

ただ、すべての業者が体制をきちんと整えているとは限りません。
そこで、発注者支援業務のスタッフが現場と書類の両方でチェックするのが、施工体制調査業務です。

この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。

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