旧建設省から、発注者支援業務の歴史

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旧建設省(現国土交通省)の発注者支援業務は、今でこそ一般の民間建設コンサルタントが一般競争入札方式で業務の受注を競い合っていますが、平成18年頃までは この業界の先駆者で現在の発注者支援業務の原形をつくった旧社団法人(建設弘済会・建設協会など)が、建設省から随意契約でほとんどの業務を受注していました。

いまの工事監督支援業務を現場技術業務などと呼んでいた時代ですが、現在、全国で発注者支援業務を受注している民間建設コンサルタントの多くは、この時代の弘済会・協会に技術者を提供していた協力会社です。

発注者支援業務の入札は、通常の建設コンサルタント業務(設計業務など)とは異なり、業務の性質上、技術者をどの程度集められるかが落札のポイントになります。

国土交通省の各地方整備局で大手の建設コンサルタントが受注に苦戦する姿が見られるのは、古くから弘済会・協会の協力会社として多くの技術者を採用してきた地場のコンサルタントに、技術者の数で敵わないからです。

というより集められないというのが実状でしょうか。

また発注者支援業務は、弘済会・協会が随意契約で受注していた時代、弘済会・協会は協力会社とは出向契約を結び、技術者の提供を受けていました。

出向は本人の立場が法的に出向元、出向先の双方に在籍していることになるため、技術者は弘済会・協会の職員として発注者支援業務を行っていたのです。

その後、新聞紙上等で弘済会・協会批判が強くなり、結果的に出向契約は消え、発注者支援業務の民間開放に繋がっていきます。

ちなみに関東の「弘済会」と「協力会社」の契約に関する経緯は以下の通りです。

関東の「弘済会」と「協力会社」の契約に関する経緯

平成18年12月20日まで
→弘済会と協力会社との契約は「出向契約」

平成18年12月21日~平成19年3月31日
→同「業務委託契約」

平成19年4月1日~平成22年33月31日
→同「派遣契約」

平成22年4月1日~
→同「JV契約」

業務の実質的な民間開放(民間の入札参加)は、平成18年4月1日からで 本格化したのは同年10月1日からです。

発注者支援業務は現在のような入札制度になってから、まだ十数年の歴史しかありません。

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