土木学会の資格は取得する価値あり?活用事例を施工管理技士と比較!

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土木分野の資格といえば、土木施工管理技士を始め、技術士、RCCMなどさまざまなものがあります。

その中でも今回は、土木学会の資格”土木技術者”を取り上げ、実際の活用事例を見ながら取得するメリットはあるのかどうかを見ていきます。

土木施工管理技士との比較も行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。

土木学会の”土木技術者資格”の概要

土木技術者資格とは、2001年度に開始された土木学会独自の土木技術者資格認定制度です。

土木学会のHPによると、設立の経緯に関して次のように記載されています。

「すでに技術士制度など多くの資格制度が土木分野にはありますが、本資格制度は土木分野全般(設計・施工)を対象として、倫理感と専門的能力を有する土木技術者を土木学会が責任を持って評価し、これを社会に明示することを目的として創設されました」

要は、土木分野の資格は既に複数あるけれど、それでも土木学会は独自で資格制度を創設したということですね。

さらに、資格内容については次の通りです。

「本制度が目指す土木技術者資格は名誉を目的とするものではありません。主に実務に携わっておられる土木技術者(教育・研究分野も含む)を対象として実務能力を認定するものです」

土木技術者は4ランクあり、上から特別上級・上級・1級・2級となります。

たとえば2級であれば、”土木学会2級技術者”が正式名称です。

土木学会の資格の活用事例5つ

土木学会のHPには、土木技術者資格が実際にどのように活用されているのか事例も紹介されています。

こちらでは5つのパターンに分けて、それぞれの活用事例を見ていきましょう。

活用事例① 国土交通省

「2007年12月に国土交通省の”発注者支援業務の契約方式の見直しについて”の中で、上級土木技術者、1級土木技術者が管理技術者の要件に追加されました。それを受けて、各地方整備局、一部地方自治体や独立行政法人において、発注者支援業務における配置予定管理技術者として活躍の場が広がってきています」

要するに国土交通省では、発注者支援業務の管理技術者の要件に土木学会の上級・1級が入っているということですね。

資格要件に入っている以上、実際に土木学会の資格をもって管理技術者として活躍している人も増えてきていると推測されます。

活用事例② 地方自治体および独立行政法人

「一部の地方自治体および独立行政法人などでは、国土交通省と同様に発注者支援業務における配置予定管理技術者として活躍しています」

内容は、国土交通省と同じですね。

土木学会の資格取得者が発注者支援業務の管理技術者として活躍しているということです。

活用事例③ 高速道路会社(NEXCO東日本・中日本・西日本)

「管理員の資格要件として、土木学会の特別上級土木技術者、上級、1級、2級が挙げられています」

NEXCOには”管理員”という独自制度があるのですが、その管理員の資格要件として土木学会の4つの資格が挙げられています。

詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。

活用事例④ 民間企業

「民間企業が公共工事の入札・契約業務の際に、国土交通省や地方自治体が管理技術者の要件として、上級・1級土木技術者が配置予定管理技術者として認められることがあります。また、民間企業の入社選考の際にエントリーシート(入社申込書)に資格登録の有無の項目を設け、選考の参考としているケースもあります」

要約すると、入社選考書類に資格の有無を記載できるということです。

こちらを見る限り、民間企業ではまだ目立った活用事例があるわけではないようですね。

活用事例⑤ 土木学会

「土木学会の”コンクリート標準示方書”において、責任技術者に必要な資格として、特別上級土木技術者、上級土木技術者が、他にも”鋼・合成構造標準示方書”において技術者に必要な資格として、土木学会認定土木技術者資格が挙げられています」

示方書とは、いわゆる仕様書のことで、施工上必要な工事の基準等が記載された文書のことです。

▲追記ヵ所

土木学会の示方書において、責任技術者の要件に資格取得者が挙げられているということですから、私達のように施工管理をしている人間には深い関係はなさそうです。

土木学会の資格と土木施工管理技士を比較すると…?

土木学会の資格は、土木分野の資格で最もメジャーな”土木施工管理技士”と比較されることが多くあります。

そこで2つを比較してみると、土木施工管理技士は、1級を取得すれば監理技術者、2級であれば主任技術者になりえるものです。

一方、土木学会の資格にそのようなメジャーな活用事例はありません。

ただ先述の通り、国やNEXCOの発注者支援業務においてはある程度活用できるような資格になってきているというのが現状でしょう。

監理技術者とは

監理技術者とは、建築業法(以下記載)に基づき現場に配置される技術者を指します。

【建設業法第26条第2項】

発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額が、第三条第一項第二号の政令で定める金額以上になる場合においては、前項の規定にかかわらず、当該建設工事に関し第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者で、当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるものを置かなければならない。

監理技術者の主な仕事は、施工計画の作成、品質管理、その他技術上の管理および作業者の指導監督です。

設計図通りに施工が行われているかチェックすると共に、図面では伝わらない細かな内容を現場に伝えるという役割も担っているため、監理技術者になるにはしかるべき資格を取得しなければなりません。

“管理技術者”と区別するため、”サラカン”と呼ばれますが、これは”監”に皿の字が付いていることによるものです。

まとめ

今回は土木学会の”土木技術者資格”をテーマに、その概要と活用事例を紹介しました。

土木施工管理技士と比べるとまだまだ活用の場が少ないということもあり、絶対に取得すべき資格とは言えないようです。

しかし土木学会の資格は、発注者支援業務において確実に活用の場が広がりつつあります。

土木分野でどの資格を取ろうか悩んだ際は、適宜、活用事例などをチェックしてみてくださいね。

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