【管理技術者】事務所に常駐?複数管理?NEXCOと国土交通省の違い

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発注者支援業務のチームには、まとめ役である管理技術者を適ず1名は配置することとされています。

しかし発注機関が国土交通省かNEXCOかによって、管理技術者の勤務体制は大きく異なることをご存じでしょうか?

今回は国土交通省とNEXCOの管理技術者における最大と違い”現場に常駐するか・しないか”をテーマに、その実態と理由をお話します。

発注機関によって異なる管理技術者の勤務体制

 発注者支援業務における管理技術者とは、発注者支援業務全体の責任を負い、メンバーに指揮命令を行う立場の人間です。

その管理技術者は、発注機関が国土交通省かNEXCOかによって現場に常駐するか・しないかが異なります。

これが国土交通省とNEXCOにおける管理技術者の最大の違いです。

NEXCOの場合、管理技術者は発注者支援業務メンバーの1人として事務所に常駐し、皆と共に仕事をします。

一方、国土交通省の場合、管理技術者が1つの事務所に常駐することはありません。

A・B・Cという3つの発注者支援業務をそれぞれに受託している3つの事務所があり、その3つをまとめて管理する管理技術者が1人いるというイメージです。

そして管理をすると言っても、週に1回~2週間に1回程度、各事務所に顔を出すという具合です。

しかし、業務の責任者としては常駐しているNEXCOの方が勤務体制として全うな気がしますよね。

国土交通省のように、責任者がわざわざ外にいる方が不自然です。

ではなぜ国土交通省の管理技術者は事務所に常駐しないのか、その理由は次のパートで述べます。

国土交通省の管理技術者が事務所に常駐しない理由

では、なぜ国土交通省の管理技術者は事務所に常駐しないのでしょうか。

業界人や役所関係者に聞くところによると、その理由は国土交通省の発注者支援業務の成り立ちに起因しているようです。

発注者支援業務の成り立ち

国土交通省の発注者支援業務はかつて、弘済会・協会と呼ばれる国土交通省の天下り団体のようなところが取り仕切って独占受注していました。

天下り団体というと聞こえは悪いのですが、いわば発注者支援業務の基礎をすべて作り上げた組織と言っていいでしょう。

そして、実際に天下りしてくる人はほとんどが国土交通省で出張所の所長や課長を務めていた役職者ばかりですから、弘済会・協会に入ってもさすがに実務は行いません。

そこで元・役職者にふさわしいマネジメントのポジションとして用意されたのが現在の”管理技術者”だと言われています。

その業務内容は、月に1回程度出張所などに出向き、国土交通省の職員と打ち合わせをしたり、業務メンバーの指揮を取ったりするというものでした。

つまり、当時の管理技術者の勤務スタイルが現在にも受け継がれているため、国土交通省の管理技術者は常駐しない形になっているのです。

国土交通省の積算の歩掛においても「管理技術者は月●回事務所にいく」と記載されています。

歩掛とは、ある作業を行う際にどれだけの機械・材料・労務などが必要か、数量としてまとめられたデータのことです。

あくまで歩掛のため、「月に●回行きなさい」とルール決めはされておらず、たとえ月1回でも毎日通っても問題はありません。

ただ大抵は週1回~2週間に1回というペースの会社が多いようです。

弘済会・協会のてん末

建設弘済会は昭和30~40年頃、建設事業の円滑な推進に資し、国土開発の発展に寄与することを目的として全国各地で設立された社団法人です。

あらゆる発注者支援業務を始め、防災活動支援や環境活動・地域づくり活動支援などを行っていました。

しかし、各地方整備局における公共事業費の拡大や業務量の増大を踏まえ、平成18年頃から一定の業務をアウトソーシングする取り組みがスタート。

総合評価落札方式の実施や市場化テストの実施により民間受注が促進され、各建設弘済会への発注額は年々減少し、結果的に建設弘済会は発注者支援業務からの完全撤退を余儀なくされました。

常駐しない管理技術者に関する是非

ここまでで、国土交通省の管理技術者が事務所に常駐しない理由を見てきました。

しかし実態として「業務の責任者がたまにしか来ないのはどうなんだ?」という声は昔からよくあがっていました。

ただ現在のような超人手不足の状況においては、国土交通省の管理技術者のようなある程度裁量に任されている勤務スタイルはプラスに働いている気がします。

NEXCOと比較すると国土交通省は1つの業務ボリュームも大きいですし、管理技術者は当然、ある程度の知識・資格を必要とされます。

つまり、“1つの業務につき1人の管理技術者が固定で管理。常駐は絶対”のように固定されてしまうと、貴重な人材がより多く割かれてしまうのですね。

一方で、国土交通省とのパイプを太くしようと、あえて事務所に出向く頻度を多くしている管理技術者も散見されます。

当然、国土交通省の職員と顔を合わせれば合わせるほど仲は深まりますし、今後の受注に繋げたいという会社側の思惑もあるでしょう。

したがって、国土交通省の管理技術者が常駐しない点は、今の時代だからこそメリットと捉えている部分が大きいようです。

まとめ

今回は国土交通省とNEXCOの管理技術員の違いとして、”事務所に常駐するか・しないか”をテーマにお話しました。

今後管理者を目指す方は、このように発注機関によっても勤務スタイルが異なることをよく認識し、自身に合う道を検討してみてください。

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