ネクスコの発注者支援業務は何が違う?国交省と比べてわかる仕事の幅と働き方

高速道路の建設や管理を担うネクスコ(NEXCO)の現場にも、発注者支援業務の技術者が欠かせません。
では、ネクスコの発注者支援業務は、国交省と比べて何が違うのでしょうか?
国交省とネクスコの両方を経験した技術者によると、同じ発注者支援業務でも、仕事の幅や働く環境がまったく違う実態があります。
そこで本記事では、以下の3テーマを解説します。
- ネクスコの発注者支援業務と国交省の違い3選
- はじめてのネクスコの発注者支援業務
- ネクスコの発注者支援業務1日の流れ
ネクスコでは工事監督業務に加えて、設計の精査から積算、特記仕様書の作成までを一通り担当します。
つまり、業務量は多いものの、技術者として力をつけやすい環境です。
ネクスコの発注者支援業務に興味がある人や、国交省の業務との違いが気になる人は、ぜひ参考にしてください。
目次
ネクスコの発注者支援業務と国交省の違い3選

ネクスコと国交省では、発注者支援業務の違いが大きく分けて3つあります。
| 国交省 | ネクスコ | |
|---|---|---|
| 業務の範囲 | 工事監督業務が中心 | ・工事監督業務 ・設計や調査業務の管理 ・積算 |
| チームの人数 | 1つの出張所に2〜3人 | 1つの事務所に約10人 |
| 同じ職場で働く期間 | 2〜3年 | 5年、長いと10年 |
発注者支援業務の違い①:業務範囲
ネクスコと国交省の発注者支援業務の大きな違いは、業務の範囲です。
国交省の工事監督業務では、基本的に工事の監督に専念します。
一方でネクスコでは、通常の工事監督業務に加えて、発注した設計・調査業務の管理や積算も担当。
幅広い経験や知識が身につき、スキルアップできるでしょう。
発注者支援業務の違い②:一緒に働く人数
一緒に働く人数も、ネクスコと国交省で違いがあります。
国交省の場合、1つの出張所には少なくて1人。
2〜3人のケースもありますが、相性の合わない人がいると毎日がつらくなりがちです。
しかしネクスコの発注者支援業務は、1つの事務所に10人程度。
10人ほどのチームであれば、合わない人が1人いても周りに頼れますよね。
発注者支援業務の違い③:働く期間
実は、同じ職場で働く期間も異なります。
国交省では2〜3年で異動があり、人間関係や忙しさがいったんリセットされます。
ところがネクスコでは、5〜10年と長く同じ事務所に配置されることも。
職場の環境が合わない場合は、リセットが効きにくい点に注意が必要です。
はじめてのネクスコの発注者支援業務

ネクスコの発注者支援業務に配属された社員によると、最初に担当したのは、次の工事を発注するための設計図書の作成でした。
建設コンサルタントから上がってきた設計成果を精査し、図面に旗揚げして数量を拾います。
そのうえで、契約項目と積算資料、図面の整合性を確認し、積算から特記仕様書の作成までを担当。
工事は最低でも数十億円規模のため、積算資料のボリュームもかなりのものです。
初めての積算では、2か月半ほどかかったそうです。
手取り足取り教わるというより、自分で調べて進め、最終チェックで修正の指示を受ける形でした。
大変ではあるものの、一度覚えてしまえば、設計から発注までの流れが一通りわかるようになります。
また、設計成果は体裁から確認します。
受注者が図面を見たときに体裁が崩れていると、この工事は大丈夫かと不安を与えてしまうからです。
実際に、体裁が整っていない成果は、中身にも不備が多いそうです。
ネクスコの発注者支援業務1日の流れ

ネクスコの発注者支援業務は、具体的にどんな流れで進むのでしょうか。
仮桟橋と橋梁の拡幅工事の2件を担当している、工事監督業務の1日を具体例として挙げます。
チームは管理技術者1名、管理員8名、補助作業員1名の計10名。
- 9時〜11時頃:メール確認は1日10通ほど。その後、ネクスコ独自のシステムで施工業者から提出された書類・図面をチェックし、コメントを返す。
- 昼〜夕方:現場での立ち会い(1日平均2〜3件)。立ち会いは、朝早い日や16時からの日もある。
- 夕方以降:現場で見つかった問題点について、安全関係などの改善資料を作成し、関係者に周知する。
立ち会いはほぼ毎日あり、10件のうち1件ほどは遠隔臨場で対応します。
生コンの打設では、要領で立ち会いが決められているため、1日中現場に張り付くことも。
ほかにも、週1回ほどのペースでプラントへ行きコンクリート強度の確認を行います。
試験機関での材料試験に遠方の工場検査へ出向くなど、国交省よりも確認の頻度が高いのも特徴です。
国交省の工事監督業務を担当していたときの残業は、月10時間ほどでした。
ネクスコでは平均で月30〜40時間ほどになり、積算と図面作成が重なる時期は終電近くまで働く日もあるそうです。
それでも、土日祝日はしっかり休めています。
まとめ:ネクスコの発注者支援業務は、技術力を上げたい人に向いている
ネクスコの発注者支援業務は、国交省の工事監督業務と比べて業務量が多く、工事の規模も大きいのが特徴です。
設計の精査から積算、現場の立ち会いまで一通り経験できるため、技術者としての力は間違いなくつくでしょう。
一方で、残業は国交省より増える傾向があり、同じ事務所に長く配置されることもあります。
それでも、民間の施工管理から転身し、国交省とネクスコの両方を経験した技術者は、今後もネクスコで働きたいと話しています。
技術力を上げたい人にとって、ネクスコの発注者支援業務は有力な選択肢です。
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