【発注者支援業務】印象の悪い応募者の特徴!印象アップのポイントとは?

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発注者支援業務は特殊な業界であるため、転職する際にはいくつか注意が必要です。

通常の転職活動のつもりで臨むと、思わぬ結果を招くこともあります。

今回は、発注者支援業務の求人に応募・エントリーするときの注意点にフォーカスし、4つのポイントを解説します。

  1. 複数応募
  2. 資格の実務経験
  3. レスポンスのスピード
  4. 特定の案件だけで会社を選ぶこと

これから発注者支援業務に転職予定の方はぜひ参考にしてください!

エントリー時の注意点1: 複数応募

求人サイトから発注者支援業務の会社に複数応募する場合は、注意が必要です。

大きな理由としては、発注者支援業務の業界がやや保守的な傾向にあることがあげられます。

したがって、面接の際などで他社にも応募していることを言及すると、良い顔をされないことがあるでしょう。

発注者支援業務の会社すべてが保守的というわけではありませんが、そのような会社は意外に多いという事実は覚えておいた方がいいです。

建設業界において、建設会社の数は何十万社とありますが、発注者支援業務の会社はさほど多くはありません。

そのため発注者支援業務の業界においては、会社間の横の繋がりも多く、村社会に近い閉鎖的な部分があります。

たとえばA社・B社・C社と複数応募をした上でA社へ入社すると、他の会社からは「あの人、A社を選んだんだ…」と良い顔をされない場面もあるかもしれません。

特に入札のエリア内では、他の発注者支援業務の会社ともさまざまな付き合いが発生するため、気まずい思いをする可能性もあるでしょう。

このような点を踏まえ、発注者支援業務の会社へ複数エントリーをする際は、ある程度慎重になった方が懸命です。

エントリー時の注意点2: 資格の実務経験

発注者支援業務の求人では、おおむね土木施工管理技士1級・2級が必要資格とされます。

したがって、エントリー時には自身の履歴書・職務経歴書に資格を記入することとなりますが、このときに実務経験についてもきちんと明記するようにしましょう。

土木施工管理技士では、1級・2級ともに施工管理の実務経験が必要です。

しかし数年前までは、実務経歴の詐称問題が横行していました。

当時、土木施工管理技士を受験するには、紙の受験票に実務経験を記載するだけで済んだので、実務経験がないのにあると見せかけたり、仕事内容をごまかしたりといったことが可能だったのです。

結果、実務経験のない試験合格者を多数生む結果となり、この件は一時期ニュースでも取り沙汰されるなど大きな問題となりました。

よって近年、発注者支援業務の採用においては資格と実務経験の整合性が厳しくチェックされています。

また、建設業界では特に実務経験を注視する傾向にあります。

いずれの場合にせよ、見る人がわかるように経歴を明記しておいた方が良い印象を与えられるでしょう。

応募時は必要資格を記載しただけで安心してしまいがちですが、実務経験まできちんと職務経歴書に書くよう注意してください。

土木施工管理技士とは

土木施工管理技士とは、施工技師管理士国家資格の1つです。

発注者支援業務にとって最も身近で、比較的取りやすい資格と言われており、工事現場における主任技術者や監理技術者になるためにも必須の資格です。

1級・2級ともにそれぞれ第1次検定・第2次検定と2度の試験が行われます。

第1次検定に合格すると1・2級施工管理技士補、第2次検定に合格すると1・2級施工管理技士の称号が得られます。

土木施工管理技士の実務経験の対象となる工事とは

国土交通省の資料によると、土木施工管理に関する実務経験とは、土木工事の施工に直接的に関わる技術上のすべての職務経験を指します。

実務経験として認められる職種経験
  • 受注者(請負人)として施工を指揮・監督した経験(施工図の作成や補助者としての経験も含む)
  • 発注者側における現場監督技術者等(補助者としての経験も含む)としての経験
  • 設計者等による工事監理の経験(補助者としての経験も含む)

具体的な工事内容は次の通りです。

※2級は、実務経験の工種(土木・鋼構造物塗装・薬液注入)によって受験種別が異なります。

土木

工事種別 主な工事内容
河川工事 築堤工事、護岸工事、水制工事、床止め工事、取水堰工事、水門工事、樋門(樋管)工事、排水機場工事、河道掘削(浚渫工事)、河川維持工事(構造物の補修)
道路工事 道路土工(切土、路体盛土、路床盛土)工事、路床・路盤工事、法面保護工事、舗装(アスファルト、コンクリート)工事(※個人宅地内の工事は除く)、中央分離帯設置工事、ガードレール設置工事、防護柵工事、防音壁工事、道路施設等の排水工事、トンネル工事、カルバート工事、道路付属物工事、区画線工事、道路維持工事(構造物の補修)
海岸工事 海岸堤防工事、海岸護岸工事、消波工工事、離岸堤工事、突堤工事、養浜工事、防潮水門工事
砂防工事 山腹工工事、堰堤工事、地すべり防止工事、がけ崩れ防止工事、雪崩防止工事、渓流保全(床固め工、帯工、護岸工、水制工、渓流保護工)工事
ダム工事 転流工工事、ダム堤体基礎掘削工事、コンクリートダム築造工事、基礎処理工事、ロックフィルダム築造工事、原石採取工事、骨材製造工事
港湾工事 航路浚渫工事、防波堤工事、護岸工事、けい留施設(岸壁、浮桟橋、船揚げ場等)工事、消波ブロック製作・設置工事、埋立工事
鉄道工事 軌道盛土(切土)工事、軌道敷設(レール、まくら木、道床敷砂利)工事(架線工事を除く)、軌道路盤工事、軌道横断構造物設置工事、ホーム構築工事、踏切道設置工事、高架橋工事、鉄道トンネル工事、ホームドア設置工事
空港工事 滑走路整地工事、滑走路舗装(アスファルト、コンクリート)工事、エプロン造成工事、滑走路排水施設工事、燃料タンク設置基礎工事
発電・送変電工事 取水堰(新設・改良)工事、送水路工事、発電所(変電所)設備コンクリート基礎工事、発電・送変電鉄塔設置工事、ピット電線路工事、太陽光発電基礎工事
通信・電気土木工事 通信管路(マンホール・ハンドホール)敷設工事、とう道築造工事、鉄塔設置工事、地中配管埋設工事
上水道工事 公道下における配水本管(送水本管)敷設工事、取水堰(新設・改良)工事、導水路(新設・改良)工事、浄水池(沈砂池・ろ過池)設置工事、浄水池ろ材更生工事、配水池設置工事
下水道工事 公道下における本管路(下水道・マンホール・汚水桝等)敷設工事、管路推進工事、ポンプ場設置工事、終末処理場設置工事
下水道工事 公道下における本管路(下水道・マンホール・汚水桝等)敷設工事、管路推進工事、ポンプ場設置工事、終末処理場設置工事
土地造成工事 切土・盛土工事、法面処理工事、擁壁工事、排水工事、調整池工事、墓苑(園地)造成工事、分譲宅地造成工事、集合住宅用地造成工事、工場用地造成工事、商業施設用地造成工事、駐車場整地工事 ※個人宅地内の工事は除く
農業土木工事 圃場整備・整地工事、土地改良工事、農地造成工事、農道整備(改良)工事、用排水路(改良)工事、用排水施設工事、草地造成工事、土壌改良工事
森林土木工事 林道整備(改良)工事、擁壁工事、法面保護工事、谷止工事、治山堰堤工事
公園工事 広場(運動広場)造成工事、園路(遊歩道・緑道・自転車道)整備(改良)工事、野球場新設工事、擁壁工事
地下構造物工事 地下横断歩道工事、地下駐車場工事、共同溝工事、電線共同溝工事、情報ボックス工事、ガス本管埋設工事
橋梁工事 橋梁上部(桁製作、運搬、架線、床版、舗装)工事、橋梁下部(橋台・橋脚)工事、橋台・橋脚基礎(杭基礎・ケーソン基礎)工事、耐震補強工事、橋梁(鋼橋、コンクリート橋、PC橋、斜張橋、つり橋等)工事、歩道橋工事
トンネル工事 山岳トンネル(掘削工、覆工、インバート工、坑門工)工事、シールドトンネル工事、開削トンネル工事、水路トンネル工事
土木構造物解体工事 橋脚解体工事、道路擁壁解体工事、大型浄化槽解体工事、地下構造物(タンク)等解体工事
建築工事
(ビル・マンション等)
PC杭工事、RC杭工事、鋼管杭工事、場所打ち杭工事、PC杭解体工事、RC杭解体工事、鋼管杭解体工事、場所打ち杭解体工事、建築物基礎解体後の埋戻し、建築物基礎解体後の整地工事(土地造成工事)、地下構造物解体後の埋戻し、地下構造物解体後の整地工事(土地造成工事)
個人宅地工事 PC杭工事、RC杭工事、鋼管杭工事、場所打ち杭工事、PC杭解体工事、RC杭解体工事、鋼管杭解体工事、場所打ち杭解体工事
浄化槽工事 大型浄化槽設置工事(ビル、マンション、パーキングエリアや工場等大規模な工事)
機械等設置工事
(コンクリート基礎)
タンク設置に伴うコンクリート基礎工事、煙突設置に伴うコンクリート基礎工事、機械設置に伴うコンクリート基礎工事
鉄管・鉄骨製作 橋梁、水門扉の工場での製作

鋼構造物塗装

鋼構造物塗装工事 鋼橋塗装工事、鉄塔塗装工事、樋門扉・水門扉塗装工事、歩道橋塗装工事

薬液注入

薬液注入工事 トンネル掘削の止水・固結工事、シールドトンネル発進部・到達部地盤防護工事、立坑底盤部遮水盤造成工事、推進管周囲地盤補強工事、鋼矢板周囲地盤補強工事

土木施工管理技士の受験に必要な実務経験の年数

土木施工管理技を受験する際、必要な実務経験年数は、学歴や卒業学科によって異なります。

各級・検定における必要な実務経験年数は次の通りです。

2級土木施工管理技士│第1次検定

実務経験問わず

2級土木施工管理技士│第2次検定

学歴 土木施工に関する実務経験年数
指定学科の卒業者 指定学科以外
  • 大学卒業者
  • 専門学校卒業者(高度専門士に限る)
卒業後1年以上 卒業後1年6ヶ月以上
  • 短大・高等専門学校卒業者
  • 専門学校を卒業者(専門士に限る
卒業後2年以上 卒業後3年以上
  • 高等学校卒業者
  • 中等教育学校卒業者
  • 専修学校の専門課程卒業者
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
その他 8年以上

1級土木施工管理技士│第1次検定

区分 学歴・資格 土木施工に関する実務経験年数
指定学科の卒業者 指定学科以外
1
  • 大学卒業者
  • 専門学校卒業者(高度専門士に限る)
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
  • 短大・高等専門学校卒業者
  • 専門学校を卒業者(専門士に限る)
卒業後5年以上 卒業後7年6ヶ月以上
  • 高等学校・中等教育学校卒業者
  • 専修学校の専門課程卒業者
卒業後10年以上 卒業後11年6ヶ月以上
その他 15年以上
2
  • 高等学校卒業者
  • 中等教育学校卒業者
  • 専修学校の専門課程卒業者
卒業後8年以上の実務経験

(指導監督的実務経験を含み、
かつ5年以上の実務経験の
後専任の監理技術者による
指導を受けた実務経験2年以上を含む)

3 専任の主任技術者の
実務経験が1年以上ある人
  • 高等学校卒業者
  • 中等教育学校卒業者
  • 専修学校の専門課程卒業者
卒業後8年以上 卒業後9年6ヶ月以上
その他 13年以上
4 2級合格者

1級土木施工管理技士│第2次検定

※前項(4)の区分で第1次検定を受験・合格した場合、前項の(1)~(3)もしくは次のア、イいずれかに該当する

区分 学歴・資格 土木施工に関する実務経験年数
指定学科の卒業者 指定学科以外
2級合格後3年以上の人 合格後1年以上の指導監督的実務経験
および専任の監理技術者による指導を受けた
実務経験2年以上を含む3年以上
2級合格後5年以上の人 合格後5年以上
2級合格後5年未満の人
  • 高等学校卒業者
  • 中等教育学校卒業者
  • 専修学校の専門課程卒業者
卒業後9年以上 卒業後10年6ヶ月以上
その他 14年以上
専任の主任技術者の実務経験が
1年以上ある人
2


格者
合格後3年以上の人 合格後1年以上の専任の
主任技術者実務経験を含む3年以上



3



の人
  • 短期大学卒業者
  • 高等専門学校卒業者
  • 専門学校卒業者(専門士に限る)
卒業後7年以上
  • 高等学校卒業者
  • 中等教育学校卒業者
  • 専修学校の専門課程卒業者
卒業後7年以上 卒業後8年6ヶ月以上
その他 12年以上

まとめ

今回は、発注者支援業務の求人に応募する際の注意点をテーマに、発注者支援業務の業界独特の風潮や、バックボーンを解説しました。

  1. 複数応募
  2. 資格の実務経験
  3. レスポンスのスピード
  4. 特定の案件だけで会社を選ぶこと

本記事のポイントは次の通りです。

  • 発注者支援業務の求人に複数応募する際は注意が必要
  • 資格を記入する際は、必要な実務経験も明記すること

今回は『2. 資格の実務経験』まで解説しましたので、次記事では『3. レスポンスのスピード 』から紹介します!


この記事の内容は以下の動画で解説しています。

理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。

この記事の続きは以下の記事になります。

募集情報だけで判断は危険?発注者支援業務にエントリーするときの注意点

2022.06.15

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