【新人・若手向け】工事でよくある設計変更とは?事例6つ紹介

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工事に付き物となる”設計変更”。

設計変更が合った場合、発注者支援業務、特に工事監督業務は、発注者側(役所)と施工者側の間に立ってさまざまな調整を行わなければなりません。

しかし、これから発注者支援業務に就こうという未経験者の方は、いまいち設計変更のイメージが湧きづらいですよね。

そこで今回は、設計変更とは何なのか、どんな事例があるのかを詳しく説明していきます。

設計変更とは

工事における”設計変更”とは、設計図と現場の状況・条件が異なる場合に、設計内容を変更することです。

工事を行う場合にはあらかじめ設計図というものがあり、その設計図通りに工事を進められれば全く問題はありません。

しかし実際のところ、設計図通りに進むことは稀です。

むしろ、設計変更がない工事はほぼないと言ってもいいでしょう。

設計変更の事例6つ

国土交通省の資料で、設計変更の具体的な事例について記載している資料があります。

今回はそちらから6つの事例を紹介しましょう。

設計変更の事例① 既製杭の打設

「杭を打設したが、想定深度で支持地盤に到達しなかったため、再設計と既製杭の再注文が必要となった」

“杭を打設”とは、杭を地盤に打ちこむことです。

たとえば、ビルの建設をイメージしてみましょう。

地面の上にただ建築物を建てるだけでは、災害時に倒れてしまいますよね。

よって、建物を建てる際には、地中にしっかりと杭を打つ必要があります。

“既製杭”とは既に出来上がった杭のことで、イメージとしては電柱のようなものです。

その電柱を地上から地中にどんどん埋めていき、地中深くの”支持層”と呼ばれる硬い層にしっかり刺さるように打ち込んでいきます。

しかし今回の場合は支持層が想定深度より深く、使用した既製杭の長さでは支持層に到達しなかったということですね。

これでは工事を進められませんから、施工者は発注者に「どう対策しますか?」とお伺いを立てなくてはなりません。

このとき両者の間に立ち、協議を取り進めるのが発注者支援業務の仕事となります。

設計変更の事例② 鋼矢板の打設

「地下水位が想定よりも浅く、水圧が高いため、鋼矢板の打設長が変わり、使用するクレーンも変更となった」

鋼矢板とは、鉄の板のようなものです。

先程は杭でしたが、今度は地盤に鉄の板をどんどん埋めていき、地中に壁を作るようなイメージです。

すると、水圧や土圧を防御できるため、土砂や地下水、海水などの流出入や漏洩を防ぐことができます。

ただ今回の事例では地下の水位が想定より浅かったために、矢板を地面から入れていった際、地下水に干渉してしまったということですね。

水位が低ければいいのですが、水位が高いと水圧も高く、地下水が噴き出してしまいます。

すると当然、矢板が入りづらくなってしまうため、板の長さの変更、さらに打設方法についても協議が必要となるのです。

設計変更の事例③ 埋設物との干渉

「既存地下埋設物の位置が想定と異なっていたため、設置予定の構造物と干渉することが判明し、再設計を余儀なくされた」

既存地下埋設物とは、水道管や既存建物の基礎部分、井戸、地中に埋まっている廃棄物などを指します。

たとえば杭や矢板を打設する際に、打設箇所に想定外の埋設物があり、干渉してしまったというのが今回の事例です。

ここまで3つの事例を紹介してきましたが、共通していたのが”地中”ということですね。

要は、地面より下のことは一目でわかりませんし、何十年も前に埋設された物はその図面がないことも多々あります。

したがって、施工中に初めて気づくことが多く、設計変更が起きやすくなっているのです。

設計変更の事例④ 近隣住民のクレーム

「近隣住民から振動・騒音に対するクレームがあり、作業時間を短縮せざるを得なくなった」

建設業は朝が早いこともあり、現場近くの住民から「こんな時間から工事しないでくれ!」と言われることもあります。

その場合は作業の見直しが必要となり、作業時間が短くなる場合は工期についても協議が必要です。

設計変更の事例⑤ 残土搬出先の変更

「掘削残土の搬出先の受け入れ条件が変わったため、運搬距離や時期が変更となった」

掘削残土とは、地面を掘った際に発生する余分な土のことです。

発生した残土はしかるべき処理場・保管場所に運搬しなくてはなりません。

しかし今回の事例では、その搬出先の受け入れ条件が変更になったとのことですね。

運搬距離や時期に影響を及ぼすということで、こちらも設計変更に該当します。

設計変更の事例⑥ 資材搬入の遅延

「使用予定の資材が必要な時期に必要な数量搬入されなかったため工期が遅れた」

昨今は資材不足ということもあり、このように搬入が遅れるケースは多々あります。

すると当然工期にも支障をきたすため、設計変更の対象となります。

まとめ:”設計変更”は、発注者支援業務が必ず通る道

今回は、工事の”設計変更”をテーマに、具体的な事例を6つ紹介しました。

建築工事の場合、基礎工事はあるものの、大半は地上の何もない場所に建設するので、ある程度のことは予測できます。

一方、土木工事は地中を触ることが多いために想定外のことが起きやすく、多いときには1つの工事で20回近くの設計変更が発生する場合もあります。

したがって、土木工事に携わる発注者支援業務にとっても設計変更は非常に身近なものなのです。

ぜひこの記事を参考に、設計変更のイメージを深めておきましょう。

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