発注者支援業務の受託会社はどう決まる?入札のプロセスを解説!

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発注者支援業務の仕事は入札方式で発注され、おおまかには次のような流れで落札に至ります。

  1. 国土交通省・NEXCO・都道府県などが「発注者支援業務の仕事をやります」と入札公告をする
  2. 希望する会社が競争入札をする
  3. 落札会社が決定する

今回は入札のイメージを持ってもらうために、最終的な受託会社がどのように決まるのか、そのプロセスや用語について詳しく説明します!

入札公告について

入札公告とはつまり、業務の発注を知らせることです。

なお、今回は固有名詞の箇所を黒塗りしていますが、実際は誰でも閲覧をすることが可能です。

この内容であれば、令和2年の12月21日に国土交通省の関東地方整備局の■■国道事務所長が、業務を発注する予定であることがわかります。

このような声明文を誰でも閲覧可能な場所に発表することで、公平に希望会社を募るのですね。

公に告知をするので”公告”ということです。

入札公告は発注者支援業務の業務1件ごとに出されるので、トータルすると膨大な件数になります。

ちなみに発注者支援業務に限らず、公共工事においても入札公告は必ず出されます。

業務について詳細が記載される中で、『(1)業務名』という項目があります。

R3・R4とはつまり、令和3年度~令和4年度のことで、2年にわたって行う業務という意味です。

年度表記なので、厳密に言うと令和3年の4月1日~令和5年3月31日までの業務です。

続いて、『(2)業務の内容』の項目ですが、工事ごとに行われる業務の内容が記載されています。

注目すべきは次の一文です。

6)予定工事件数は30件を予定している。

この入札公告は発注者支援業務の工事監督業務にまつわるものなので、受注した際には30件の工事を監督する必要があるということになりますね。

このような内容の入札広告が、毎年12月中旬~下旬にかけて出されています。

▼追記ヵ所

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発注者支援業務の入札スケジュール

発注者支援業務が発注されるサイクルはおおむね決まっており、毎年次のようなスケジュールで行われます。

  • 入札公告…12月中旬~下旬
  • 資料受付期間…12月下旬~1月下旬
  • 入札・改札…2月中旬~下旬
  • 落札者の決定…2月下旬~3月中旬(3月末ギリギリになることもある)
  • 業務スタート…4月1日

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▲追記ヵ所

入札調書と総合評価方式について

入札調書とは、入札した結果のことです。

画像左上に、入札日時が令和3年2月17日と日付が記載されています。

つまり国土交通省が12月21日に入札公告を出したのに対し、希望会社が最終的な入札を行ったのが2月17日のいうことです。

総合評価方式とは

総合評価方式とは、入札金額と技術評価を総合的に評価する方式のことで、入札において現在最も代表的な評価方式です。

通常の入札は入札金額だけで決定します。

たとえば、Yahoo!オークションは高い金額を提示した人が落札できるという仕組みですよね。

発注者支援業務や工事の入札の場合は逆で、低い金額を提示した会社が評価されます。

しかし総合評価方式では、金額だけでなく、工事においてどのような提案ができるかという技術に関する部分も評価基準の1つとなります。

技術評価の内訳は次の4項目に分かれています。

  1. 予定管理技術者
  2. 予定担当技術者
  3. 実施方針
  4. 技術提案

順に説明します。

予定管理技術者

管理技術者に誰を配置するかということです。

たとえば、A社の技術者は1級土木施工管理技士を持っている、B社のは1級+技術士も持っているといった違いが出てくるので、その点が基準となります。

また、発注者支援業務の実績があるかどうかも見られます。

予定担当技術者

実際に業務を担当する人間が誰なのかということです。

この点においても、所有資格や発注者支援業務の実績の有無などが基準となります。

発注者支援業務の実績のいろいろ

同じく10年発注者支援業務の実績がある人でも、農林水産省や国土交通省、都道府県、市など、いずれの発注者の仕事を多く経験してきたかによって有利性が変わります。

今回のように国土交通省の発注案件であれば、当然、国土交通省の実績がある人の方が優遇されます。

実施方針

実施方針とは、業務に臨む際の会社の体制のことです。

技術提案

技術提案とは、業務を行うにあたってこんな方法はどうかといった提案のことを指します。

ただし、発注者支援業務は工事を管理・確認する側なので、ICTなど実際の施工に関する提案は行いません。

「業務の中にこのDX ツールを取り入れます」といった、あくまで施工業者を管理する立場としての提案を行います。

技術評価点の横に履行確実性度という項目がありますが、こちらは受注した際に業務を確実に行えるかを指します。

しかしこの項目は会社間であまり差がつかないため、技術評価はここまで解説した4項目で主に点数がつけられます。

  1. 予定管理技術者
  2. 予定担当技術者
  3. 実施方針
  4. 技術提案

ちなみにこの表では A 社、 B 社、 C 社の3社が入札に参加したことになります。

各社の技術評価点の内訳は次の通りです。

  • A社…49.9点
  • B社…45.3点
  • C社…40.9点

したがって、総合評価方式では入札金額と提案で評価されるところを、提案の部分ではA社が勝ったということになります。

まとめ

今回は発注者支援業務の受託会社はどのように決まるのか?をテーマに、発注者支援業務の入札のプロセスについて解説しました!

ポイントは次の通りです。

  • 毎年12月中旬~下旬に入札公告が出される
  • 入札公告とは、発注者支援業務の応募に関する公的な告知のこと
  • 入札評価方式とは、入札金額と技術評価を総合的に評価する方式のこと

次の記事では、総合評価法式における入札金額について詳しく解説します!


この記事の内容は以下の動画で解説しています。

理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。

この記事の続きは以下の記事になります。

発注者支援業務の入札金額はどう決まる?落札の決め手は金額?技術提案?

2022.06.29

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