工事監督業務で10年経験が必要な1番の理由はコレ!嫌われ者の特徴とは?
この記事は以下の記事の続きです。
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発注者支援業務の工事監督業務を行う場合、10年程度の施工管理経験があった方がいいとされています。
その理由は4つあり、前回は次の2つを解説しました。
- 施工側の代理人はハイレベルな人が多いから
- 経験年数が浅いと予算・工程を経験できないから
今回は残り2つの理由を紹介します!
理由3. 業者の立場を理解できるから
3つ目の理由は、施工業者の立場が理解できるからです。
発注者側にいると、つい忘れてしまいがちですが、施行業者はシビアに利益の追及を行っています。
会社である以上、工事で赤字を出すわけにはいかないからです。
しかし、民間の施工管理経験が浅いと、こういった業者の実状や気持ちを組めないまま発注者支援業務に就くことになってしまいます。
発注者支援業務が施工管理経験を経て学ぶべきこと
発注者支援業務の仕事は、端的に言うと、施工がルール通りに行われているかを監視することです。
たとえば、コンクリートの打設のときは標準仕様書に則っているか、埋め戻しは適性に行われているかといったことを確認します。
鉄筋コンクリートの建物を建造する際は、次のような工程があります。
- 骨格部分として、鉄筋や鉄骨を組み合わせる
- 出来上がった骨格を囲うようにして型枠を作る
- 型枠に生コンクリートを流し込む(体躯の完成)
3番目の生コンクリートを流し込む作業のことを打設と言います。
打設は、コンクリートを充填する際、棒などで入念に叩いて空気や水を追い出したことが由来とされており、”打ち込み”と呼ばれることもあります。
コンクリートは流し込んでいるうちにどんどん硬貨していくので、打設は入念な準備と時間管理が必要とされます。
さらに、打設によって固まったコンクリートは建物の体躯になるため、非常に重要な工程と言えるでしょう。
しかし、ルール通りかどうかですべてを判断し、「やらなくちゃだめでしょう!」といった横柄な物言いをすれば、業者側は気分を害してしまいます。
発注者支援業務は発注者側と請負者、両者の間に立って仕事を行う、いわば橋渡し役です。
両者それぞれと信頼関係を構築し、上手くコミュニケーションを取ることが求められます。
そのためにはやはり「業者の立場としては、きっとここが大変なんだろうな」と推察できるだけの経験が必要なのです。
10年程度の経験があると良いのは、実務経験はもとより、施工業者について一通り理解できる上、発注者支援業務として円滑に現場を回せるようになるからです。
理由4. ワークライフバランスが取れるから
最後の理由は、ワークライフバランスが取れるからです。
どういうことかと言うと、施工管理を10年経験すると、大半の人が30~35歳ぐらいの年齢になります。
すると、だいたいの人が結婚や子供の誕生といったライフイベントを迎えるでしょう。
したがって、施工管理経験を10年経たタイミングで発注者支援業務に転職すれば、ワークライフバランスが取れて理想的な生活が送れるということなのです。
ライフプランとしても10年間の施工管理経験が望ましい理由
民間の施工管理を10年間経験したとすると、隔週休2日で残業もこなすという、ある程度のハードワークを行ってきたことになります。
帰りが遅い日は子供の寝顔しか見れず、隔週休みでは疲れてしまって、家族での休日もままなりません。
一方で、知見やスキル、社内ポジション、土木施工管理技士1級など得たものは多く、発注者支援業務へ転職するには最適なタイミングと言えます。
そこで発注者支援業務に転職すると、完全週休2日で残業も少なめ、デスクワークが多いことから体力的にもグッと楽になります。
民間の施工管理と比べると、圧倒的にライフワークバランスが取りやすくなるのです。
特に結婚して、小さな子供がいる人には理想的な生活環境となります。
結果論にはなりますが、10年程度の経験を積み、30~35歳で発注者支援業務に就くことは、ライフプランとしてもベストだと言えるでしょう。
実際に私が見てきた転職者の中でも、このパターンが大半であり、結果的に最もうまくいっているパターンだと感じます。
まとめ
発注者支援業務の工事監督業務を行う場合、民間の施工管理経験は10年程度あった方がいい理由を解説しました。
- 施工側の代理人はハイレベルな人が多いから
- 経験年数が浅いと予算・工程を経験できないから
- 業者の立場を理解できるから
- ワークライフバランスが取れるから
10年間の経験というと長く感じるかもしれませんが、工事監督業務において本質的な仕事をするには、やはりこれくらいの経験が必要だと思います。
また、ライフプランの面から見ても、10年間程度の経験を積んだ方が、ベストタイミングで発注者支援業務へ転職できるでしょう。
もちろん、この考え方が絶対というわけではありませんが、1つのパターンとして皆さんの参考になれば幸いです。
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