民間の施工管理から発注者支援業務に変わって感じた変化10選!
民間の施工管理と発注者支援業務の業務における違いは他の記事で紹介した通りです。
今回は、実際に民間から発注者支援業務に移った人が感じたこと、明確に変わったことを10個取り上げ、からだ編、ストレス編、仕事編に分けて紹介します。
- 朝が楽になった
- 太った
- 飲む機会が減った
- 腰痛が改善した
- 対人関係が楽になった
- 利害関係がなくなってストレスが軽減
- “金”と”工期”からの開放感
- 標準仕様書を読むようになった
- 立場を勘違いするときがある
- 国土交通省の職員の大変さが理解できる
「発注者支援業務に就いたらどう変わるのかな?」と、興味のある方はぜひご覧ください!
目次
変化1(からだ編): 朝が楽になった
民間の施工管理の場合、7時~7時30分には現場に入る人が多く、8時台に出勤する人はほぼいません。
また、現場も数ヶ月~1年の期間の間で場所が変わるため、自宅から遠い現場になることもあります。
すると通勤時間を考慮して、4~5時台には起きなければいけないこともザラにあります。
一方、発注者支援業務の始業時間は国土交通省なら基本は8時30分で、都心部だと9時過ぎのところもあります。
要するに、行政側の始業時間に合わせるので、朝が遅めになるのですね。
また、8時30分が始業時間であっても、7時30分に出勤するような人はまずいません。
平均的に8時過ぎ~20分ぐらいに出勤する人が多いです。
また国土交通省の場合、短期間で現場が変わる民間とは異なり、1年~3年の間はずっと同じ事務所に出勤することになります。
つまり最低1年間は通勤にかかる時間が変わらず、また、8時半までに出勤すればいいということで「朝が楽になった」という声は圧倒的に多いですね。
変化2(からだ編): 太った
施工管理において、特に土木系は測量が多く、今はレーザースキャナーで測量ができると言っても、まだまだ現場の中を動き回ることが多いものです。
その点発注者支援業務は、いくら複数の現場を見るとは言っても、主な目的は検査・確認です。
現場によってはいろんなエリアを見て回ることもありますが、各現場には1時間~2時間程度しか滞在しないため、バタバタと動き回ることは少ないでしょう。
よって、運動量やカロリーの消費量は施工管理に比べると大きく減ります。
夏などは特に顕著で、人によっては「太った」と感じる場合もあります。
測量とは
測定とは、工事予定地の正確な位置(座標)・高さ・長さ・面積等をさまざまな専門器具を使って測定することです。
測量業務は屋外で行う外業と、事務所内で行う内業の2つに分かれます。
外業
外業とは屋外で行う測量作業のことです。
5人程度のチームを組み、GPSや関数電卓、セオドライト(角度を測る器械)、レベル(高低差を測る器械)、光波測距儀(光を使って距離を測る器械)などの専門機器を使って測量を実施し、そこで得た結果を保存します。
内業
内業とは測量士が事務所で行う作業のことを指します。
まず行うのは作業計画・測量計画などの立案です。
それから測量後は観測したデータをもとにさまざまな計算を行い、測量ソフトを利用して図面作成を行います。
完成した図面は製図機器を使って描画し、必要な書類が揃ったら発注者に提出します。
測量業務は複雑な地形や厳しい環境下でも正確な作業が求められるため、忍耐力が必要とされます。
また測量結果は開発計画や建設条件などにも大きく関わる要素なので、非常に責任の大きな仕事と言えます。
変化3(からだ編): 飲む機会が減った
民間の現場に携わっていると、お酒を飲む機会が多くなります。
理由の1つは、現場の経費が使えるからです。
近年の国土交通省における土木の入札は、昔と違って入札率(予定価格に対して業者が入札する金額の割合のこと)が高く、現場の予算に余裕があったりします。
つまり、予算の中でも飲み代に回せる割合が多いということですね。
また、民間の現場で施工管理をしていると、出入りの業者さんや下請けとの接点も多くなるため、必然的に飲む機会も増えます。
しかし発注者支援業務になると、そもそも現場の予算がなく、飲む場合は自腹になります。
また、業者さんや下請けさんとの接点も基本的にはなくなるため、飲む機会は圧倒的に減ります。
よって、発注者支援業務になってから「飲む機会が減った」「健康的になった」という意見は多いです。
発生者支援業務の人は誰と飲みに行く?
発注者支援業務は総じて、役所の職員と飲みにいくことには一線を引きます。
なぜなら、役所の職員と発注者支援業務は、発注者と受注者の関係だからです。
たとえば、工事業者の現場代理人と国土交通省の出張所長や係長が一緒に飲みに行ったら、違和感を感じませんか?
それは、発注側と受注側の関係だからです。
発注者支援業務の人と出張所長(国土交通省の職員)も同じ構図になるので、発注者支援業務の人にとっては「襟を正さないと」という感覚があります。
よって、発注者支援業務が役所の人と飲みに行く機会は基本ありません。
発注者支援業務が飲むとしたら、やはり同じ出張所のメンバーなど、同じ立場で一緒に働いている人が多くなると思います。
たとえば出張所には河川巡視や許認可など、発注者支援業務の他の職種の人達もいるので、そういった発注者支援業務同士で、ということが多いでしょう。
次点では、同じ会社の人で、別の出張所に行っている人達なども多いと思います。
河川巡視および許認可とは、どちらも発注者支援業務における職種の名前です。
河川巡視は、一級河川の堤防をバイクないし車でパトロールすることが主な業務です。
許認可は主に道路で行われる業務で、申請者から提出された書類が道路法の要件に当てはまっているかを確認をします。
土木施工のような技術力よりも、法務系の知識が必要とされ、基本的には内勤の仕事です。
現場代理人とは
現場で施工管理をしている”現場監督”達のトップであり、その現場の責任者のことを現場所長といいます。
現場代理人は、建設業法上定められている用語で、実質は”現場所長”のことです。
つまり現場で所長と呼ばれている人であっても、書類上に自身の身分を記載するときは現場代理人になるということです。
現場代理人および現場所長は、“監理技術者”や”統括安全衛生責任者”と兼務する場合も多いです。
国土交通省の出張所の仕組み
そもそも国土交通省には本省と呼ばれる本店と、各地域の支店とも言える地方整備局があります。
その各地方整備局には次の8種類の事務所があります。
- 河川
- 砂防
- ダム
- 道路
- 技術
- 公園
- 営繕
- 港湾・空港
出張所とは事務所の出先機関のことで、1つの事務所にたいして平均3~5つの出張所があると言われています。
出張所には国土交通省の職員から所長、技術係長、事務係長などが配置されています。
平均的な割合としては発注者支援業務のスタッフの方が多く、職種は河川巡視や工事監督支援など、出張所によってさまざまです。
変化4(からだ編): 腰痛が改善した
施工管理では腰痛になる人が多く見受けられます。
小規模の会社だと、本当は良くないのですが、作業を手伝ったりすることが多いからです。
その内容も、掛矢(かけや)などの重いものを使用したり、墨出しでかがんだりなど、腰に負担のかかる作業が多いので、施工管理でも腰を痛める人はいます。
一方、発注者支援業務は物を作る立場ではなく、物を検査・確認する立場なので、そのような肉体労働はありません。
よって腰痛がなくなったという声もよくあります。
掛矢とは、樫などの硬い木で作られた大きな木槌のことです。
近年は樹脂製のものなども増えてきているため、大きなハンマー状のもの=掛矢とされることも多いです。
工事現場では、目印になる杭を打ち込んだり、物を破壊したりする際に使用されます。
柄の長さは90cm、重量は約3~4kgあり、その扱いは容易ではありません。
墨出しとは、簡潔に言うと、実際の現場に実寸の設計図を書く仕事のことです。
キャンパスに下絵を描いていくようなイメージで、墨つぼという工具の1種を用いて施工における基準点や線を墨で記していきます。
墨出しの印は施工における基準点となるため、正確性を必要とされる他、現場に応じた臨機応変な対応や、作業のスピーディーさも求められます。
また、現在はレーザーによる墨出し器も活用されています。
まとめ
今回は、民間の施工管理から発注者支援業務に変わって感じたこと・変わったことをテーマに、体にまつわる変化を3つ紹介しました。
発注者支援業務に変わると、出勤時間に余裕が出ることで朝が楽になったと感じる一方、運動量の低下で太ってしまう人もいます。
しかし肉体的な作業が減るので、総合的に見ると「楽になった」と感じる人が多いです。
- 朝が楽になった
- 太った
- 飲む機会が減った
- 腰痛が改善した
- 対人関係が楽になった
- 利害関係がなくなってストレスが軽減
- “金”と”工期”からの開放感
- 標準仕様書を読むようになった
- 立場を勘違いするときがある
- 国土交通省の職員の大変さが理解できる
今回は『4. 腰痛が改善した』まで紹介しましたので、次の記事では『5. 対人関係が楽になった』から紹介します!
この記事の内容は以下の動画で解説しています。
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