働いても実務経験にならない!?発注者支援業務の転職理由ベスト4!

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この記事は以下の記事の続きです。

前の記事を読んでいない方は、こちらの記事もご覧ください。

発注者支援業務が「転職したい」と思ってしまう理由ベスト4を紹介!

2022.06.06

 

すでに発注者支援業務で働いている人が「転職したい」と思ってしまう理由には、主に4パターンあります。

  1. 希望する勤務地に行けない
  2. 地元へ戻りたいが戻れない
  3. 自分が希望する職種に就けない
  4. 働く場所が1~2箇所しかない

前記事では『2. 地元へ戻りたいが戻れない』までを紹介し、発注者支援業務ならではの勤務地事情を解説しました。

本記事では『3. 自分が希望する職種に就けない』から説明します。

これから発注者支援業務に入る人にとっても役立つ内容ですので、会社選びで失敗したくない方はぜひご覧ください!

発注者支援業務が転職を希望する理由3: 自分が希望する職種に就けない

発注者支援業務には積算や資料作成など、いくつか種類があります。

そこで転職理由としてよくあるのが「いつまでたっても工事監督業務ができない!」といった、職種に関する不満です。

原因としては、技術者の入社時期によって、会社が既に人の配置を決定してしまっており、本人の希望業務に配属できないというパターンが多いでしょう。

発注者支援業務の新年度は4月からなので、12月~1月、もしくはそれ以前に入社がわかっていると会社側も融通が効きやすくなります。

しかし近年は人手不足の問題から年度途中でも人を採用する会社が多いです。

結果、現場をやりたい人に対して「とりあえず資料作成業務やっててくれる?」と指示するような事態が起こります。

さらに、当人の通勤エリア内で仕事が落札できず「悪いけど、もう1年資料作成やってくれる?」というパターンもあります。

発注者支援業務の種類

国土交通省の資料によると、発注者支援業務には次のような種類があります。

発注者支援業務の種類

▼発注者支援業務…河川・道路等の工事の発注・および監査・検査に関わる補助業務

  • 積算技術業務…工事発注用図面、数量総括表、積算資料、積算データなどの作成
  • 工事監督支援業務…請負工事の履行に必要となる資料作成や施工状況の照合および確認、工事検査などへの臨場、設計図書と工事現場の照合など
  • 技術審査業務…入札契約手続きにおける企業の技術力評価のための審査資料の作成

▼公物管理補助業務…河川・道路などの施設管理に関わる補助業務

  • 河川巡視支援業務…河川構造物の点検、不法行為の指導
  • 河川許認可審査支援業務…河川の各種占用申請などの審査・指導など
  • ダム・排水機場管理支援業務…ダムなどの機器点検、洪水時、緊急時などのゲート操作補助など
  • 道路巡回業務…道路構造物の点検・確認、不正使用・不法占用点検など
  • 道路許認可審査・適正化指導業務…道路の不正使用・不法占用の指導取り締まり、各種占用申請などの審査・指導など

▼用地補償総合技術業務…事業用地内の権利者に対して用地交渉を行い、土地の提供について理解を得る業務

  • 用地補償総合技術業務…公共用地交渉用資料の作成、権利者に対する公共用地交渉の実施など

実務経験を満たしたい2級土木施工管理技士の人は特に注意!

2級土木施工管理技士の資格取得者であれば、ゆくゆくは1級を取得したいと思っている人も多いでしょう。

1級の受験資格に必要な実務経験を積むために、発注者支援業務に入ったという人もいるはずです。

しかし、土木施工管理技士1級の受験に必要な実務経験とは、あくまで現場の経験です。

会社の事情で資料作成を行うことになると、いつまでたっても実務経験が積めず、1級の受験資格を満たすことができません。

このように、せっかく発注者支援業務の会社に入ったのに1級が受けられないというお悩みもよくあります。

民間への派遣サービスを行ってる企業であれば、派遣先で施工管理の経験を積ませてもらうことは可能でしょう。

しかし発注者支援業務を受注するのは大半が建設コンサルタントです。

建設コンサルタントは通常、設計業務を行う企業なので、自身で現場を持っておらず、そのような救済措置も取れない構造になっています。

したがって、転職しない限りはいつまでも施工管理ができないという展開にもなり得るのです。

1級土木施工管理技士受験に必要な実務経験がまだ足りていない人は、この点を特に注意してください。

1級土木施工管理技士とは

土木施工管理技士とは、施工技師管理士国家資格の1つです。

発注者支援業務でおおむね必須とされる資格で、2級と1級に分かれています。

1級土木施工管理技士を取得すると、経営事項審査制度の技術力評価において、2級土木施工管理技士よりも高い点数を獲得できるなど、施工技術の指導的技術者としてより高い評価が受けられます。

また、指定建設業(土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業、舗装工事業・造園工事業)に係る特定建設業者においては、営業所ごとに専任の技術者、建設工事の現場に監理技術者を配置する必要がありますが、当該技術者には1級土木施工管理技士の取得が必須とされています。

経営事項制度とは

経営事項審査とは、公共工事を請け負う際に企業が必ず受けなければならない審査です。

発注者は入札に参加する業者を選定する際、資格審査を行いますが、この際に審査項目として用いられるのが、客観的事項と発注者別評価の2つです。

このうちの客観的事項にあたる審査が、経営事項審査となります。

発注者支援業務が転職を希望する理由4: 働く場所が1~2箇所しかない

小規模な企業や新規参入の企業でよくあるのが、勤務地が1~2箇所しかないということです。

会社の規模が小さければ、年間1~2件しか落札しないことはよくあります。

また会社が大きくても、発注者支援業務に参入したのは最近となると、実績不足で1~2件しか落札できないということもよくあります。

つまり働く人にとっては、勤務地の選択肢が2箇所しかないということです。

この点は「職種や勤務地の条件が満たされていれば問題ないのでは?」と思う人もいるでしょう。

しかし、発注者支援業務が入札方式である以上、同じ2件を10年以上連続で受注することは、国土交通省ならまずありえません。

したがって、勤務地が希望エリアから変更になったり、設計補佐や測量など希望していない仕事をさせられる可能性も大いにあるのです。

人によっては現場から社内の仕事に変わることで、現場手当がなくなるなど、給与面への影響もあるでしょう。

このように勤務地や職種の制限があまりにタイトなことから、転職を希望する声はよくあります。

受注件数が少ない場合のデメリット

受注件数が1~2件だと、その配属先しか勤務地の選択肢がありません。

この場合のデメリットは、自身にとってネガティブなことが起こった場合、ずっとその要因が付きまとう可能性があるということです。

たとえば配属先で自然災害が起きたとします。

普段は残業が少ない発注者支援業務ですが、有事の際は概略発注などの影響もあり、忙しくなります。

概略発注とは

概略発注とは、災害などの緊急時に、設計・発注図面をざっくりとした状態で取り急ぎ発注することです。

しかし詳細な図面が上がってくるまでは工事ができないため、発注者支援業務の労が逆に増えたりします。

さらに、ゲリラ豪雨によって河川の堤防が決壊、氾濫した場合などはその忙しさが何年も続いたりします。

配属先の選択肢が少ないということは、つまり、その多忙な事務所でずっと勤務し続ける可能性があるということです。

その他、道路に携わりたいと思っていたのに河川しかやらない事務所へ配属される可能性もありますし、逆に道路ばかりで夜勤(夜の立会)が続くこともあります。

配属先の雰囲気が悪ければ、そのストレスと常に戦うことになるでしょう。

 

働く場所が固定されるということは、大きな変化がないという意味で、良い面もあります。

しかし人の配置に融通が利きづらい分、問題に直面してしまったときは「転職するしかない」という結論になってしまいやすいとも言えます。

公共工事の入札のバランス

「受注件数が少ないのなら、入札を多く出せばいいのでは?」と思った方もいるでしょう。

まさにその通りで、発注者支援業務を担う建設コンサルタントは落札できない可能性も含め、少し多めの件数を入札するようにしています。

しかしいざ落札できても配属できる人がいなければ問題です。

責任がきちんと果たせないばかりか、しばらく入札に参加できなくなってしまいます。

よって入札の数のバランスは難しく、重要な点でもあります。

まとめ

発注者支援業務が「転職したい…」と思う理由を2記事にわたり、4つ紹介しました。

  1. 希望する勤務地に行けない
  2. 地元へ戻りたいが戻れない
  3. 自分が希望する職種に就けない
  4. 働く場所が1~2箇所しかない

発注者支援業務は競争入札を経て受注されるため、勤務地や職種の希望が通らない場合があります。

また企業によっては、受注案件が少ないことから配属先が固定されてしまい、柔軟な働き方ができないケースもあります。

発注者支援業務として活き活きと活躍するためにも、会社選びは慎重に行いましょう。


 

この記事の内容は以下の動画で解説しています。

理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。

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