国土交通省の地方整備局は関東に何カ所ある?【発注者支援業務】
この記事は以下の記事の続きです。
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国土交通省は数ある発注者の中でも最も代表的な発注者です。
そして国道交通省には本店的な役割を持つ”本省”と支社的な役割を持つ”地方整備局”があります。
地方整備局は次の8つです。
- 東北
- 関東
- 北陸
- 中部
- 近畿
- 中国
- 四国
- 九州
また各地方整備局には複数の事務所があり、事務所は次の8種類に分かれています。
- 河川
- 砂防
- ダム
- 道路
- 技術
- 公園
- 営繕
- 港湾・空港
前記事では『1. 河川』『2. 砂防』『3. ダム』『4. 道路』『5. 技術』まで解説しましたので、今回は『6. 公園』から続けます。
目次
1. 地方整備局の中にある事務所とは?
また各地方整備局には複数の事務所があり、事務所は次の8種類に分かれています。
- 河川
- 砂防
- ダム
- 道路
- 技術
- 公園
- 営繕
- 港湾・空港
前記事では『1. 河川』『2. 砂防』『3. ダム』『4. 道路』『5. 技術』まで解説しましたので、今回は『6. 公園』から続けます。
⑥公園
地方整備局における事務所の6つ目が公園です。
公園事務所は関東であれば常陸海浜公園事務所、昭和記念公園事務所の2つがあります。
公園事務所の業務は”国営公園”の管理をすることです。
⑦営繕
7つ目が営繕です。
営繕は要するに建築系の工事のことです。
こちらもエリアごとに区切られており、東京第1営繕事務所、東京第2営繕事務所、宇都宮営繕事務所などの事務所があります。
たとえば東京第1営繕事務所は埼玉県と千代田区・港区など都内の9つの区を管理し、同エリア内における建築工事を担うことになります。
具体的な場所の例としては“さいたま新都心”の合同庁舎・熊谷公共職業安定所(ハローワーク)・秩父労働基準監督署などです。
要するに”官庁の営繕”ですね。
官庁はつまり”国”ということなので、国の建物・施設を作る場合が営繕事務所の仕事になります。
営繕とは”造営”と”修繕”をまとめて表した言葉です。
組織においての営繕とは、建築物の新築工事や修繕工事、増改築工事、そこにかかる計画・発注・監理業務などを総称して使われます。
⑧港湾・空港
最後が港湾・空港です。
そもそも国土交通省とは、かつての建設省と運輸省の2つが合体したところです。
港湾・空港とはつまり、旧運輸省系の仕事になります。
事務所で言うと、鹿島港や茨城空港、茨城港を管理する鹿島港湾・空港整備事務所。
羽田空港を管理する東京空港整備事務所。
それから横浜港、横須賀港、川崎港などを管理する京浜港湾事務所があります。
当該地域の空港や港を整備をするのが港湾・空港系の事務所ということですね。
建設省と運輸省について
建設省と運輸省は、どちらも2001年まで存在していた旧省庁のことです。
建設省は国土開発や地方計画の河川・道路・上下水道などの公共事業、住宅・土地政策、都市計画、建設産業の指導・監督などに関する行政事務を担当していました。
一方、運輸省は水・陸・海・空にわたる交通・運輸に関わる行政から、外局である気象庁によって行われる気象業務や、海上保安庁によって行われる海上の安全および治安の維持に至るまで幅広く担当していました。
2. 発注者支援業務の勤務地まとめ|関東地方整備局の数は?
ここまで説明した通り、国土交通省の地方整備局には8種類の事務所があります。
前記事で関東地方整備局にはこの8種類の事務所が計53あると言っていましたが、その内訳を次に記載します。
- 道路…13
- 河川…12
- 港湾・空港…8
- 営繕…6
- ダム…5
- 砂防…3
- 公園…2
- 技術…1
こう見ると、やはり道路と河川が飛び抜けて多いですね!
ちなみに、これまで”事務所”について解説してきましたが、実は事務所の出先機関としてさらに”出張所”があります。
こちらは数が多すぎて詳細が述べられませんが、1つの事務所に平均3〜5の出先機関(出張所)があります。
したがって事務所や出張所、その他の出先機関をすべて合わせると、国土交通省の施設は関東だけでもおおよそ150〜200あることになります。
そのすべてが発注者支援業務の勤務先になるとは断言できませんが、考え方としては、関東の国土交通省だけで勤務先が150~200あると思っていても間違いではありません。
3. 質問コーナー
このパートでは、皆さんが気になりそうな発注者支援業務に関する疑問を一問一答形式でお答えします。
国土交通省の事務所に役所(発注者側)の人しかいない、ってこともあるんでしょうか?
出張所ではないと思いますが、事務所ではあるかもしれません。
事務所の中では、トータル何人ぐらい働いているんですか?
事務所の規模によって異なります。
たとえば東京国道事務所は関東地方整備局の中でも最も大きな組織なので、おそらく数百人規模かと思います。
かつての京浜河川事務所では200人余りの人が働いていました。
対して、ダムの事務所などは総じて小規模で人も少ないところが多いです。
そのうち、発注者支援業務の人は何人ぐらいですか?
事務所は職員の方が圧倒的に多いのですが、出張所は発注者支援業務の人の方が多いですね。
かつての多摩出張所を例にあげると、職員は所長・技術係長・事務係長の3人だけでした。発注者支援では工事の管理をする人が5人、”河川巡視”という河川の管理をする人が4人いました。
このように出張所はたいてい、発注者支援業務の人の方が多いですね。
その他には専属の運転手と、食堂で働く女性も1人いました。
まとめると、正規の公務員である職員が3人、それ以外が10人という比率です。
また、職員が出払ってしまうときもしょっちゅうあります。
出張所の所長は頻繁に会議に出ますし、技術係長は現場に出てしまうからです。
4. 経験者のみぞ知る!発注者支援業務の変わった仕事
発注者支援業務では、河川や道路などの”工事の管理”以外にもいろいろな業務があります。
このパートでは、その中でも特に印象深いものを2つ紹介します。
災害トラブルに関する業務
台風や大雨の後は中洲の位置が流れて変わってしまい、魚が川から流れ出してしまうことがよくあります。
すると小さな水溜まりに魚が数十匹入り込んでピチピチと跳ねるので、近隣住民が発注者支援業務に「かわいそうだから助けてあげて」と依頼をしてくることがあるのです。
そこで発注者支援業務の人間が業者に頼み、魚をすべて助けてもらうような一件がありました。
中州とは
川の中で土砂などが堆積して、島のような陸地となっている地形のことです。
別名 “川中島”とも言います。
川の上流から流れてきた土砂や砂・小石が十分な量になって形成されるので、下流部にて見られる傾向が多いです。
中州は性質上、川の増水などで形がどんどん変化し、消失する場合もあります。
一方、形成されて長く時間が経った中州には植物の繁茂が見られたり、川遊びの場として利用されていたりもします。
場所によっては数km級の大きさを持つ中州もあります。
周辺環境の整備に関する業務
平たく言うと、周辺にホームレスが住みついていないかを調査する業務です。
河川は国が管理している場所です。
よって、その場所が不法に利用されていないかチェックすることは発注者支援業務の仕事の1つです。
特に冬などはホームレスが火の扱いを間違って火事を起こしてしまうケースもあるので、周辺調査は定期的な業務とされています。
余談ですが、ホームレスは都市部を流れている河川周辺の方が住みつきやすい傾向にあります。
たとえば、多摩市や川崎市、川崎市、田園調布などを流れる多摩川がその1つです。
近くにコンビニやスーパーが多く、すぐに”仕入れ”ができてしまうことが理由の1つです。
まとめ
発注者支援業務が国土交通省の支援を行った場合の勤務先について、2記事にわたり解説しました。
最後に、国土交通省の各事務所が行う主な業務を表にまとめます。
事務所の種類 | 事務所例 | 主な業務内容 |
河川 |
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砂防 |
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ダム |
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道路 |
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技術 |
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公園 |
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営繕 |
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港湾・空港 |
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