NEXCOの発注者支援業務で働くのに必要な資格は?国交省とは違う点とは

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民間の施工管理からNEXCOの発注者支援業務へ転職!労働環境はどう変わる?

2022.07.20

 

民間の施工管理からNEXCOの発注者支援業務へ転職した山田さんに、NEXCOの実態について伺っています。

今回は、資格について次のような話を聞きました。

  • NEXCOの発注者支援業務で働くためにはどんな資格が必要なのか?
  • NEXCO独自の”管理員”制度とは何か?
  • 発注者支援業務のキャリアアップにはどんな上位資格を取るべきか?
  • 土木関連資格の違いについて

NEXCOに興味がある方、発注者支援業務の資格について気になる方もぜひご覧ください!

NEXCOの発注者支援業務には資格が必要?

結論から言うと、NEXCOの発注者支援業務には資格が必要です。

NEXCOには、独自制度として、管理員のⅠ・Ⅱ・Ⅲという区分けがあり、原則、そのポジションに属しなければNEXCOでは働けません。

そして、管理員の区分けは保有資格によって定められています。

それぞれのポジションに必要な資格は次の通りです。

NEXCOの管理員Ⅲに必要な資格

  • 2級土木施工管理技士
  • 土木学会の2級土木技術者
  • 技術士補

NEXCOの管理員Ⅱに必要な資格

  • 1級土木施工管理技士
  • 土木学会の1級土木技術者
  • 技術士

NEXCOの管理員Ⅰに必要な資格

  • 上級土木技術者

こちらは土木学会の資格で、土木の実務経験が最も求められる資格です。

また、NEXCOの実務経験として、管理員Ⅱの経験も3年以上必要とされます。

土木施工管理技士の資格について

土木施工管理技士とは、施工技師管理士国家資格の1つです。

工事現場における主任技術者や監理技術者になるためにも必須の資格で、1級・2級ともにそれぞれ第1次検定・第2次検定と2度の試験が行われます。

第1次検定合格時は”〇級施工管理技士補”になり、第2次検定に合格すると”〇級施工管理技士”となります。

技術士・技術士補の資格について

技術士は産業に必要な技術者を育成することを目的として、昭和33年に作られた資格制度です。

科学技術の応用面に携わる技術者にとって最高位の国家資格であり、合格すると技術の高等応用能力や高い技術者倫理、豊富な実務経験を備えていると認定されたことになります。

技術士の大半は、国や地方自治体、企業などで業務を遂行していますが、自営のコンサルタントとして、次のような分野においても活躍しています。

  • 公共事業の事前調査・計画・設計監理
  • 地方公共団体の業務監査のための技術調査・評価
  • 裁判所、損保機関等の技術調査・鑑定
  • 地方自治体が推進する中小企業向け技術相談等への協力
  • 中小企業を中心とする企業に対する技術指導、技術調査・研究、技術評価等
  • 大企業の先端技術に関する相談
  • 開発途上国への技術指導
  • 銀行の融資対象等の技術調査・評価

また、技術系資格は専門分野ごとに分かれているのが通常ですが、技術士は科学技術の全領域をカバーしているのが特徴です。

部門は次の21通りに分かれています。

  1. 機械部門
  2. 船舶・海洋部門
  3. 航空・宇宙部門
  4. 電気電子部門
  5. 化学部門
  6. 繊維部門
  7. 金属部門
  8. 資源工学部門
  9. 建設部門
  10. 上下水道部門
  11. 衛生工学部門
  12. 農業部門
  13. 森林部門
  14. 水産部門
  15. 経営工学部門
  16. 情報工学部門
  17. 応用理学部門
  18. 生物工学部門
  19. 環境部門
  20. 原子力・放射線部門
  21. 総合技術監理部門

NEXCOの管理技術者に必要な条件とは

管理技術者とは、発注者支援業務の最上位ポジションです。

NEXCOにおいて、この管理技術者になるには、管理員Ⅱの人が3年以上管理員としての実務経験を積むことが必要とされます。

発注者支援業務における管理技術者の必要性

発注者支援業務のチームでは、仕事の指示を出す人(管理技術者)を必ず1人は配置することとされています。

なぜなら、発注者である国土交通省やNEXCOの職員は原則、発注者支援業務として働くメンバーに仕事の指示を出してはいけないからです。

法律上の指揮命令の問題から、発注者は責任者(管理技術者)にある程度のことを伝えるのみとされています。

よって、管理技術者は発注者支援業務のメンバーをまとめ上げたり、指示を出したりするために必要なリーダー的存在なのです。

2級土木施工管理技士と土木学会の2級は同レベルじゃない?

土木施工管理技士2級と土木学会の2級は内容的にリンクしている部分が多く、同レベルの扱いを受けることが多いです。

しかし土木施工管理技士2級は、第一次検定であれば合格率が70%を越えているのに対し、土木学会2級は平均50%程度となっています。

実際に、キストを見ると「土木学会の方が難しい」と感じる人が大半のようです。

ただ、土木施工管理技士2級の受験頻度が数ヶ月に1度なのに対し、土木学会は希望日時で通年受験可能という利便性があります。

そのため、土木施工管理技士の受験がタイミング的に難しい場合は、会社側から「土木学会を受けてくれ!」と指示される場合もあるようです。

NEXCOの発注者支援業務における資格保有状況

ここまでをまとめると、管理員Ⅲの資格を満たしていなければ、NEXCOで発注者支援業務はできないということでした。

そして、業務に参加してからは、どこかで1日講習を受けることが決まりとなっています。

私はNEXCOに勤めてまだ数ヶ月なので、管理員Ⅲのポジションです。

周りを見ても、20代の人であれば、ポジションは管理員ⅢかⅡが多いと思います。

しかし、そもそもNEXCOは40代以上の人が多く、若い方を見ることはあまりありません。

よって、NEXCO全体で見ると、保有資格は1級レベルの方が多いという印象です。

発注者支援業務がキャリアアップのために目指すべき上位資格とは

私は今後、キャリアアップに向けて土木施工管理技士1級、技術士の取得を目指しています。

発注者支援業務は大半の人が建設コンサルタントに入って行うことになるので、この業界に入った限りは、技術士の取得を目指すのがスタンダードかと思います。

資格としては、その他にRCCMもありますが、こちらは受験に必要な実務経験が大卒者で7年と少し長めになっています。

一方、技術士は技術史補を取得後、コンサルとして4年の実務経験があれば受験できるため、そういった点も技術士資格がよりメジャーな要因かもしれません。

RCCMとは

RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)とは、平成3年度、良質な社会資本を整備するための建設コンサルタント業務に係る管理技術者や責任技術者の育成、技術力を客観的かつ的確に評価することを目的に創設された資格です。

資格の形態は技術士と似ており、試験内容は次の22の専門技術部門に分かれています。

  1. 河川、砂防及び海岸・海洋
  2. 港湾及び空港
  3. 電力土木
  4. 道路
  5. 鉄道
  6. 上水道及び工業用水道
  7. 下水道
  8. 農業土木
  9. 森林土木
  10.  造園
  11. 都市計画及び地方計画
  12. 地質
  13. 土質及び基礎
  14. 鋼構造及びコンクリート
  15. トンネル
  16. 施工計画、施工設備及び積算
  17. 建設環境
  18. 機械
  19. 水産土木
  20. 電気電子
  21. 廃棄物
  22. 建設情報

また、コンクリート診断士の資格取得も視野に入れています。

コンクリート技士や、コンクリート主任技士の資格もありますが、そちらはどちらかと言えばプラント側で必要な資格です。

私は今、主に耐震の補強工事を行っており、現地踏査を行って状況確認することが多いので、コンクリート診断士資格の方が実務に活かせると思います。

また、コンクリート関連の資格はいずれも入札の条件になっていたりなど、需要があり、そもそもの知識の向上にも繋がると考えています。

コンクリート診断士とは

コンクリートは経年劣化するため、コンクリートを使用する構造物は定期的な状態確認が必要とされます。

コンクリート診断士とはまさに、コンクリートの劣化状態を診断するための知識・技術力を取得し、維持管理の提案ができることを目的とした資格制度です。

まとめ

今回はNEXCOの発注者支援業務に従事する山田さんに、NEXCOの独自制度や、取得すべき資格について伺いました。

ポイントは次の通りです

  • NEXCOには独自の管理員制度がある
  • NEXCOの発注者支援業務で働くなら資格取得は必須
  • 土木施工管理技士2級より土木学会2級の方が難易度が高い
  • 発注者支援業務は最終的に技術士の取得を視野に入れるべき

発注者支援業務に関連する資格は複数ありますが、所属先でどんな資格を求められているか、実務に活用できるかという点を押さえておくと、効率的なキャリアアップが臨めそうですね。

この記事が、今後資格取得を検討している皆さんの参考になれば幸いです!


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